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井岡一翔 今後は「考えようがない」進退明言せず 無念の王座陥落…「すぐには受け止められない」

スポニチアネックス 2024年7月7日 22時7分

 ◇WBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦(2024年7月7日 東京・両国国技館)

 WBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(35=志成)がIBF世界同級王者フェルナンド・マルティネス(32=アルゼンチン)との2団体王座統一戦に0―3の判定で敗れ、12年6月のミニマム級以来のベルト統一に失敗した。18年大みそか以来の黒星で、キャリア終盤で手痛い黒星を喫した。採点は112―116、111―117、そして108―120のフルマークをつけた採点も1人いる完敗だった。

 試合後の囲み取材では「やり抜いた気持ちでいた」と第一声。判定については「全身全霊で戦ったので、判定まで考えてなかった。倒すつもりで戦っていた。勝ったか負けたか分からなかった」と語った。

 勝敗分けたものについては「正直分からないですね。自分が出せるものは出し切ったなと。負けは負けと認めるし、今自分がどういうふうに戦い抜いたかが一番大事。結果はついてこなかったが、やったことは満足している」と淡々と答えた。

 今後については「今はそこまで落とし込んで考えられない。この日に懸けてきた思いが悔しさだったり…すぐには受け止められない。終わったばかりでそこまで考えられていない。今後も考えようがない。今はゆっくりしたい」と正直な思いを吐露した。

 第1Rから上下左右の強烈なコンビネーションを繰り出してきたマルティネスの印象は「体の厚みが凄かった。ガードした時、でかいサンドバッグを叩いているみたいだった」と表現。それでも「今日は日本人としての強さ、12ラウンドを戦う強さ、自分の距離を譲らなかったり、前で戦う姿勢を見せたかった。そりゃ泣きますよ。悔しいですもん。涙もあふれるし期待に応えたかった。こういう経験ができて人生の挑戦は終わらないし、今日だって結果を出したかった。応援してくれた方々の期待に応えたかった。その涙だったと思う」と12ラウンドを戦い抜いた意地を示し、涙は悔し涙だったと語った。

 進退を懸ける覚悟で臨んだ七夕決戦。35歳の井岡が健在を証明することはできなかった。初回から前に圧をかけてくるマルティネスに対し、井岡は左ボディーを当てた。井岡はアウトボクシングではなく、カウンターを狙う展開で応戦。3回には相手の右に対して、井岡の足が止まる場面もあるなど、相手の手数の多さが目立った。

 中盤以降もマルティネスの手数が上回り、井岡は最後まで流れをつかむことはできなかった。終盤は井岡もリスクを背負って前に出たが、マルティネスのディフェンス能力も高かった。

 控室で井岡は関係者と言葉を交わし涙。そして子供を抱いて「ありがとうございました」とあいさつした。

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