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都青鳥 歴史的15アウト!初の特別支援単独出場 0―66もナインに大きな拍手

スポニチアネックス 2024年7月8日 5時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権西東京大会2回戦 都青鳥特別支援0―66東村山西(2024年7月7日 スリーボンド八王子)

 0―66。どんなに点差が開いても、諦めるような選手は一人もいなかった。3時間10分。コールドとなった5回を戦い抜き、高校野球史に新たな一ページを刻んだ。都青鳥特別支援の久保田浩司監督は「点差がついても諦めず、声を出し続けた選手の姿がうれしい」と感慨に浸った。

 昨夏、連合チームとして初出場。今夏は部員が12人で単独でグラウンドに立った。特別支援学校の単独出場は高校野球史上初めて。初回、1番の岩本大志(1年)がいきなり右前にはじき返した。記念すべき初安打。これがチーム唯一の安打だった。「うれしかったです。初めてのヒットでガッツポーズが自然と出た」。岩本はチームでは数少ない中学での野球経験者。久保田監督も「一番打てる子」と太鼓判を押し、スタンドで観戦した母・明子さんは「まさか打てるとは思ってもいなかったのでびっくりしました」と喜んだ。

 友情応援も後押しした。三塁側スタンドには八王子実践の野球部総勢53人が声援を送り続けた=写真。恩田宣男助監督は久保田監督の日体大野球部の1年後輩に当たる。「(単独で)出場するという第一歩に微力ながら協力したかった」と語り、岩本も「八王子実践のみんなに感謝しかないです」と言った。

 久保田監督は言う。「これを機に、他の特別支援学校が公式戦に出場するための歴史的に大きな一歩」。都青鳥特別支援の奮闘に試合が進むにつれ、アウトを取るたびに大きな拍手が起きた。観客の心を震わせたからだ。(小林 伊織)

 ▽特別支援学校と高校野球 高野連に加盟して全国で初めて夏の地方大会に参加したのは16年鹿児島大会の鹿児島特別支援学校。鹿児島修学館、加世田常潤、鹿児島第一との連合チームで出場した。22年夏は愛知大会に豊川特別支援学校の生徒が連合チームに加わり出場。都青鳥特別支援学校は昨夏に西東京大会に初参加。松蔭大松蔭、都深沢との連合チームとして出場した。

 ≪最多得点記録は122点≫夏の地方大会では1998年(平10)の青森大会で東奥義塾が122―0で深浦を下した試合が最多得点試合となっている。22年には千葉大会で千葉学芸が82―0でわせがくを下した。千葉学芸は3時間13分の試合で51安打を放ち、1イニング33得点など8つの千葉大会新記録をつくった。また同年には三重大会で津西が60―0で徳風に勝利している。

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