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【阪神2軍リポート】“近本打法”に改造中の19歳・戸井 打席での“待ち方”が変化、出塁率も劇的に向上

スポニチアネックス 2024年7月9日 5時18分

 【阪神2軍リポート】鳴尾浜で汗を流す若虎を取り上げる「2軍リポート」。今回は高卒2年目・戸井零士内野手(19)にフォーカスする。今季はここまでウエスタン・リーグで打率・241。昨季の・144からの成長ぶりをアピールしている。出塁率、三振率にも大きな改善が見られる。打席での意識改革、打撃フォーム改造に至った経緯、同じ内野を守るライバルに抱く思いにも迫った。

 高卒2年目の戸井が「虎の穴」で成長の跡を残している。今季、確かな手応えをつかんでいた。

 「取り組んできたことがうまくはまっている。まだまだだけど、順調には来ている」

 打率のほかに、劇的に良化させている2つの数字がある。一つは、「三振率」。昨季はウエスタン・リーグで・331、つまり10回に3回は三振していたことになるが、今季は・142。明らかに追い込まれてからの打撃が変わった。それに比例するように、もう一つの数字「出塁率」も上がった。昨季の・161から・317まで上昇。たった1年で変貌を遂げたのは、状況に応じた球の“待ち方”が理由だった。

 「(去年は)全部真っすぐを待って、変化球にやられた。今年は打席によっては思い切って変化を待ったり、しっかり考えながら打席に入れている」

 打撃フォームも改良し、プロの球に対応できるようになった。高校時代から続けてきたスタンスを広めにとる構えから、阪神・近本やDeNA・宮崎のように、始めから軸足に全体重を預け、1本の線になったような構えでボールを待つ。「(左打ち右打ちの違いはあるが)よく(近本選手や宮崎選手に)似ていると言われる。でもマネをしたわけではなくて。それが自分に合っていた」。自主トレをともにしたロッテ・荻野の紹介で通い始めたトレーニング施設でつくり上げた形だ。

 「一番、力を出せるポジションで球を待てている。追い込まれてからでも右に流してヒットにできる確率が増えた」

 昨年はプロの洗礼を浴び、頭を抱えることが多いシーズンだった。打率は・144。自分の打撃をさせてもらえなかった。今年は同じ高卒内野手の山田、百崎が入団。落ち込んでいる暇はない。「意識しないようにとは思っても、実際はしていて。やっぱり負けたくない」。2軍の内野陣の中で成績を残し、層の厚い1軍内野陣に殴り込みをかけるため、理想の打撃を求め続ける。その先に前川、野口に続くネクストブレークがある。(松本 航亮)

 ◇戸井 零士(とい・れいじ)2005年(平17)1月18日生まれ、大阪府松原市出身の19歳。松原第三中1年時に侍ジャパンU―12の一員としてW杯に出場し首位打者を獲得。天理高では1年秋からベンチ入りし2年春、3年春夏に甲子園出場。22年ドラフト5位で阪神入り。1メートル81、78キロ。右投げ右打ち。

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