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福岡第一のプロ注目右腕“エース・前田” 同姓の先輩以来36年ぶり聖地へ導く

スポニチアネックス 2024年7月9日 5時32分

 ◇第106回全国高校野球 福岡大会3回戦 福岡第一6―0久留米学園(2024年7月8日 久留米)

 福岡大会は8日、3回戦9試合が行われた。福岡第一のプロ注目147キロ右腕・前田明慶(3年)は6点リードの6回に4番手で登板し、DeNA、オリックス、ロッテなど5球団のスカウトが見守る前で最速144キロの直球主体に2回完全。5者連続三振も奪った。前田幸長氏(野球解説者)を擁し、準Vした1988年以来36年ぶりの甲子園へ“エース・前田”が導く。

 22球投げて変化球は2球だけだった。ただ、福岡第一のエース・前田の直球は分かっていても当たらない。

 「球速よりキレを重視しています。次へ向けてスタミナを残したかった。(力の入れ具合は)7割くらい」

 1番から始まる6点差の6回に登板し、3者連続三振を奪った。この回、最速は自己記録に3キロ及ばない144キロだった。多少、出力を落とした7回も137キロ、140キロの直球で久留米学園の4、5番を空振り三振に仕留める。「軸をしっかり、バランスよく投げることを意識しています」。1分間あたりの回転数は、好調時にはプロでも一流の部類と言われる2500回転を計測するという。

 右肘痛に苦しみ、投球練習を再開したのは今年6月だった。背番号1は最速146キロの三谷力斗(3年)が付け、調整途上の前田は背番号17。「ケガ明けなのでできるだけ無理をしない」と自らに言い聞かせ、初戦だった5日の2回戦(対香椎工)も救援で2回完全、2奪三振だった。それでも5日は巨人など3球団、この日は5球団のスカウトがネット裏に集まるのは、光る素材という証拠だ。

 福岡第一が最後に甲子園に出場したのは昭和最後の88年夏。左腕・前田幸長を擁し、準優勝した試合は「YouTubeでよく見ます」。36年ぶりの聖地へ向けては「自分たちの代で行きたいプライドはある」と元号が一つ飛んだ令和の“エース・前田”は力強く、夏の頂点を誓った。 (福浦 健太郎)

 ◇前田 明慶(まえだ・あきよし) 2006年(平18)11月15日生まれ、京都市出身の17歳。竹田小3から「竹田イーグルス」で野球を始める。藤森中時代は「京都ヤングフレンド」でプレーした。「寮生活で自分を高める」との強い意志から野球留学した福岡第一では1年生の春からベンチ入り。1メートル83、80キロ。右投げ右打ち。

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