◇第106回全国高校野球 神奈川大会2回戦 横浜10―0座間総合（2024年7月9日 平塚）
5回コールドで2年ぶりの甲子園へ向けて絶好のスタートを切った横浜。まさに投打二刀流のスーパー1年生・小野舜友（しゅんすけ）投手が躍動した。
投げては公式戦初先発ながら3回を完全投球。打っても先制打を含む3安打2打点と躍動し、「3年生とやれるのも最後ですし、思いきって自分のピッチングができました」と汗を拭った。
ゆったりとしたフォームからキレのある最速140キロの直球主体に手玉に取った。初回、先頭には右前に運ばれたが前進守備の右翼手の好判断で右ゴロ。その後はカーブとのたった2球種で的を絞らせず、「球がむちゃくちゃ速いとかではないので、絶対に打たれないというのを常に思いながら投げました」と充実感を漂わせた。
1カ月前から担う3番としても初回から結果を残した。1死三塁から三遊間への鋭い当たりを放って先制適時打。3回には左前打、4回には中前適時打とすでに高校通算3本塁打のバットも止まらず「低くて強い打球が打てたのはいいことかなと思いました」と満足げだ。
東海中央ボーイズ時代は3年春に日本一を経験したが、「今となっては関係ない。ここに入ったからにはまた一から練習しないと。チームの軸になれるような、チームを自分の力で勝たせるようになりたい」。名門の夏開幕を託された左腕は、見据えている世界が違う。（村井 樹）