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パリで引退のバレー・古賀紗理那 五輪前に表明の理由 関係者が明かす心配り「メダルを獲得しても…」

スポニチアネックス 2024年7月10日 5時2分

 バレーボール女子日本代表主将の古賀紗理那(28=NEC)が9日、自身のインスタグラムを更新し、26日開幕のパリ五輪を最後に現役を引退すると発表した。パリから帰国後に引退会見を開く。五輪に出場するアスリートが開幕直前に現役引退を表明するのは異例。特別な決意で自身2度目の大舞台に臨み、バレーボール女子として12年ロンドン五輪の銅メダル以来12年ぶりのメダル獲得を目指す。

 古賀はインスタグラムに直筆のメッセージの写真を投稿し「パリオリンピック2024をもちまして、現役を引退することにしました」とパリ五輪での現役引退を表明した。そして「パリオリンピックにバレーボール人生の全てを懸けて戦います」と最後の大舞台に臨む覚悟を記した。

 五輪前に引退表明したアスリートは男子マラソンの大迫傑らがいるとはいえ異例だ。親しい関係者には事前に伝えており以前から決断はしていたもよう。関係者は「メダルを獲得しても、五輪後に引退を発表すると、そちらが目立つ可能性がある。それは避けたい。自分も集中したいし、皆が頑張ったことにフォーカスされるようにしたい」と本人の心情を代弁した。自身よりもチームを優先する古賀らしい心配りが、この時期での発表になった。

 リオ五輪はメンバーから落選。東京五輪は初戦で負傷しチームは1次リーグ敗退。過去の五輪には苦い記憶が残る。昨年の五輪予選で出場権を逃し、今年のネーションズリーグでようやく切符をつかんだ後、「古賀紗理那史上一番必死だった大会」と振り返った。それほどパリ五輪に懸ける思いは強い。

 22年に結婚した男子日本代表・西田有志(24=大阪ブルテオン)は「いいね!」をつけて決断を尊重した。高校時代に「夢はお嫁さん」と話すなど結婚生活に憧れていた古賀。西田とは所属チームの関係で別居生活が続いている。今後の活動には言及していないが、夫を支える環境も整うことになる。

 10日に事前合宿のためフランスに出発し、28日から戦いが始まる。8日の壮行会で「1次リーグからタフな試合が続くと思うけど、チーム一丸となって戦っていきたい」と語った日本のエースは花の都で有終の美を飾る。

 ◇古賀 紗理那(こが・さりな)1996年(平8)5月21日生まれ、佐賀県出身の28歳。熊本信愛女学院高から15年NEC加入。13年日本代表初選出。18、22年世界選手権、21年東京五輪出場。22年から日本代表主将。24年ネーションズリーグ準優勝。22~23年、23~24年Vリーグを連覇し2季連続MVP受賞。22年12月に男子日本代表の西田有志との結婚を発表。1メートル80。アウトサイドヒッター。

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