◇セ・リーグ 阪神2ー1ヤクルト(2024年7月9日 甲子園)
阪神・原口がまた土壇場で勝負強さを発揮した。9回2死一塁で代打で登場し、三遊間を破る左前打。2ボール1ストライクから、守護神・田口の甘く入ったスライダーを捉えてチャンスを拡大した。
「あそこは何とか、ヒットでも四球でも、もう何でもいいので。後ろにつないでいくだけだったので。それがヒットになって良かったと思う」
7日のDeNA戦では9回2死満塁から右前打を放ち、相手失策を誘ってサヨナラに導いた。2戦連続バットの貢献だけでなく、この日はよく走った。2死満塁で近本が放った右前打で二塁から本塁を狙い、ヘッドスライディングでサヨナラの生還を果たした。
「打った瞬間、落ちてくれと。あとはもう藤本(三塁)コーチも思いきり腕を回していたので、もういくだけだったので、良かったです。得点になって」
プロ15年目のベテランは試合前の打撃練習で実戦を想定したスイングをしている。直球を打って試合に臨む選手が大半の中、打撃投手に、コース、変化球をリクエスト。時に、クイックでも投げてもらう。
「前の試合でクイックで抑えられたら、それを投げてもらったり。課題があった部分に取り組む感じですね」
改善の意識が「代打の切り札」としての地位を確立させている。
9回に4連続代打を送りこんで勝利をもぎとった岡田監督は「原口もね、前の試合にいい仕事をしているので、良かったですね」と称えた。ベンチも一体になってきた。これで波に乗らないはずがない。(倉世古 洋平)