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【高校野球】“金農旋風”再びなるか、金足農が夏11回出場の明桜破り3回戦へ 輝星弟・大輝が完投勝利

スポニチアネックス 2024年7月10日 12時56分

 ◇第106回全国高校野球選手権秋田大会 1回戦 金足農3―2明桜(2024年7月10日 さきがけ八橋)

 甲子園大会の秋田大会2回戦で、金足農が昨年の代表校で過去11度の出場を誇るノースアジア大明桜を破り、3回戦へとコマを進めた。エースの吉田大輝(3年)が強力打線を封じ、10回を5安打2失点、11三振を奪う力投でチームを勝利に導いた。

 粘り強く戦い抜いた。初回2死三塁から4番・加藤汰空の右前打で先制。3回にも1点を加えて試合の主導権を握った。7回に同点に追いつかれ、延長タイブレークへともつれ込んだが、10回1死三塁から3番・薮田龍人の中犠飛で勝ち越し。リードを守り切り、今春の秋田大会優勝校を力で振り切った。

 吉田大輝の兄はOBで、6年前の夏、全国に“金農旋風”を巻き起こした吉田輝星(オリックス)。兄譲りのスタミナ、そして熱い気持ちをマウンドで存分に発揮した。強い気持ちを見せたのは7回だ。「真っすぐに自信があるのでインコースに投げ切れれば打てないという自信ある。どんどん使っていった」。2点のリードを追いつかれ、なおも1死二塁の局面。8番打者を二飛に打ち取ると、続く打者は空振り三振に仕留めてピンチを脱出した。

 そこから9回1死まで5者連続三振。1点リードの10回も無死一、三塁をしのぎ切った。優勝候補の最右翼を破っての進撃。「他のチームより、いっそう燃える。絶対負けないぞという気持ちで行きました」。最後まで強い気持ちは全身に満ちていた。

 “金農旋風”はいまだ記憶に新しい。2018年夏。公立の農業校に集まったチームワーク抜群の選手たち。吉田輝星を中心に11年ぶり6度目の甲子園大会出場を果たすと、神がかり的な進撃を見せた。3回戦・横浜(神奈川)戦では8回に逆転3ラン。準々決勝・近江(滋賀)戦ではサヨナラツーランスクイズを決めた。準決勝・日大三(西東京)戦は1点差を競り勝ち、決勝で大阪桐蔭(大阪)に敗れたが、胸を打つ戦いぶりに日本中が震えた。吉田は1回戦から決勝までに881球を投げ抜いた。

 弟は兄の姿に影響を受け、金足農への進学を決めた。18年は秋田大会決勝でノースアジア大明桜を破って、甲子園出場を果たし、秋田勢103年ぶりの準優勝に輝いた。弟も母校の新たな歴史を作るため、全力で腕を振る。

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