◇セ・リーグ 阪神4ー1ヤクルト(2024年7月10日 甲子園)
プロ初スタメンで活躍した野口の野球人生のターニングポイントは、九産大時代にある。恩師の大久保哲也監督(61)が当時を振り返った。
入学当初はミートはうまいが、柵越えは望めそうにない、細身で非力なタイプだったという。その教え子に「プロになるなら、体を大きくしないと無理だよ」とアドバイスしたのが1年秋。その言葉を境にして、長距離砲へと生まれ変わった。
「ウエートトレーニングに力を入れるようになりました。その効果でしょう。入学前は体重が80キロに満たなかったが、しばらくして今(86キロ)と同じぐらいになりました」
努力する姿もまぶたに焼き付いている。全体練習後の1~2時間の自主練はいつもの光景。さらに、「寮に戻ってからも筋トレしていました」と、ひたむきさにも驚かされた。
大学日本代表監督も務めた大久保監督をして、「見てきた中でNo.1」と称えるミート力。そこにパワーが加わり、プロの門を叩いた。育成からはい上がった練習の虫のサクセスストーリーは、序章にすぎない。