◇第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 正則6―5大森学園(2024年7月11日 大田スタジアム)
正則のエース左腕・谷田修哉(3年)が10回を投げ抜き、9安打5失点でチームに勝利をもたらした。岸本淳監督も「格上だと思う」と語った大森学園相手に2回戦を突破した。
谷田の最速は130キロながら、球速よりも速く感じる直球を軸に、昨年の秋から投げ始めたチェンジアップがさえた。同点で延長タイブレークに突入。10回に2点を勝ち越した直後に、押し出し死球で1点を差に迫られ「打たれたらサヨナラ負けをする、という不安があった」と言う。だが最後は、左打者を外に逃げるスライダーで右飛に打ち取り、号泣した。
グラウンドは校舎に囲まれた中庭で、ダイヤモンドほどの大きさしかない。同環境では打撃練習やノックも満足にできないが、木の板で作った手作りマウンドで投げ込みを行ってきた。野球場で練習ができるのは月に1度ほどだが、毎日、午後4時頃から2時間ほど集中した練習を行ってきた。岸本監督は「基礎から一からやっている。守備がよく守った」とナインを称えた。
冬場には多い日では200球の投げ込みを行った谷田は「攻める気持ちを忘れずに、次も自分のボールを投げたい」と意気込んだ。