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石丸伸二氏 得票数の“物差し”は東国原英夫氏だった 選挙参謀「無所属が取れる伸びしろ」

スポニチアネックス 2024年7月12日 22時10分

 選挙プランナーで、藤川選挙戦略研究所の藤川晋之助代表理事が12日、BSフジ「BSフジLIVEプライムニュース」(月~金曜後8・00)に生出演し、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が出馬した東京都知事選の票読みについて語った。

 藤川氏は7日投開票の都知事選で、得票数2位と躍進した石丸氏の選挙対策事務局長を務めた。現職の小池百合子氏に敗れはしたものの、石丸氏は165万8363票を獲得。一躍、脚光を浴びた。

 当初は大苦戦の予想だった。藤川氏は「当初、申し訳ないけど本人に言いましたよ。“取れて50万だ。そんなもんだと。失敗すれば30万くらいになってしまう”と言ったら、黙って聞いておられましたよ」と、戦前の見解を石丸氏に素直にぶつけたという。

 ところが、多数のボランティアが集まり、石丸氏が240カ所もの選挙演説を行うなど、運動は順調。途中からは、石丸氏の評判を聞きつけた聴衆がさらに増えて、ある問題も起きたという。藤川氏は「途中で集まりすぎて、駅に迷惑をかける。小さな駅でできなくなってしまったんですよ。大きな駅でしかできない。1000人、2000人集まってしまうから」と、裏事情を明かした。

 そのため、SNSでは演説場所の告知を制限。「10カ所くらいは公にして、10カ所は内緒で回るという作戦をまじえて、後半はやったんです。功を奏しましたね。中間地点で100(万票)はいくなと思ったんです。50万と言っていたのが」。選対も票読みを上方修正したという。

 追い風も吹いた。藤川氏は「これはテレビで言っていいか分からないですけど、(ビート)たけしさんが、東国原(英夫)さんに、“こいつおもしろいぞ。会いに行って来い”って言ったらしいんですよ。それで東国原さんが来てくれたんですよ」。石丸氏は選挙期間中、東国原氏とYouTube動画で対談。話題になった。

 「これは無所属が取れる伸びしろだなと思って」と藤川氏。そこから石丸氏の得票数目標を、東国原氏が11年の都知事選出馬の際に獲得した169万票に再設定したという。実際には165万票あまりでわずかに及ばなかったが、藤川氏は「でも、石丸さんって2人いたでしょう?」と、もう一人立候補していた同姓の石丸幸人氏に言及。投票では按分票も出ており、「(石丸幸人氏が)9万取ったので、だったら、うちが勝ってたんですよ。無所属で取れる最大限まで広がったというのが、石丸さんの効果だった」と分析。ほぼ計算通りの得票数だったことを明かした。

 とはいえ、小池氏の牙城を崩せなかったのは事実だ。藤川氏は「高齢者の方々から見たら、若い人(石丸氏)は怖い。“私たちが今、享受している福祉、医療が崩れるんじゃないか”という漠然とした不安(があった)」と、高齢者層の得票が伸びなかった理由について見解。「もうちょっと地域を細かく回れて、300人くらいでもいいから集会をたくさんやっていたら、全然違ったと思います」と回想。「3カ月くらいあったら、小池さんに勝てていたかもしれない」と悔やんだ。

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