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「虎の恋人」神戸弘陵・村上が魅せた 149キロ、11K あと2人でノーノー逃すも、うわさ通りの剛腕や

スポニチアネックス 2024年7月14日 6時33分

 ◇第106回全国高校野球選手権兵庫大会 2回戦 神戸弘陵6ー1飾磨工(2024年7月13日 明石トーカロ)

 シード校の神戸弘陵が6―1で飾磨工に快勝。阪神もリストアップする今秋ドラフト上位候補で最速153キロ右腕の村上泰斗投手(3年)が9回1死まで無安打に抑える快投を見せ、視察した8球団のスカウトに実力を誇示した。

 球場内だけでなく村上自身も意識したノーヒットノーランまであと2人だった。9回1死、ライナー性の打球に対し中堅手が目測を誤り、背走しながらグラブに当てて落球。電光掲示板に「H」がともると、マウンド上の右腕は悔しさ…ではなく、白い歯を見せた。

 「あそこまで打たれたのは、自分の今の実力。チームを勝ちに導くのが一番の目標なので良かった」

 その後は2死三塁から投ゴロの処理に手間取り(記録は内野安打)完封も逃したが、被安打2の完投勝利に納得の表情を浮かべた。

 阪神など複数球団が今秋ドラフトの上位候補に挙げる実力を、存分に示した。初回から直球を軸に押し、中日のスピードガンで最速149キロを計測。2回2死から連続四球で招いたピンチを切り抜けるとギアを上げ、5回1死からの中飛まで外野に打球を運ばせなかった。ライバル校へ手の内を明かさないよう、6回までに使った変化球はカーブのみ。7回はカットボールを解禁し、3つの球種を結果球にして3者三振に仕留めるなど抜群の内容だった。

 「去年は力を入れて、どれだけ三振を取るか、みたいな感じだった。個人で戦ってしまっていたな、と」

 昨秋県大会3回戦の彩星工科戦では三振を狙うあまり力みが目立ち、四球で崩れて自滅。反省から脱力を意識し、メンタル面の成長も加わったこの日は危なげない投球に加え11個の三振を奪った。

 注目右腕の夏初戦に楽天や巨人など8球団のスカウトや編成担当者が集結。オリックスの谷口悦司スカウトは「股関節を柔らかく使っていて、ウチの山岡のように力を無駄なく伝えて放ることができている」と評価した。

 「甲子園にどれだけ自分が中心として導けるか」と村上。憧れの聖地のマウンドに上がるまで“戦国兵庫”を戦い抜く覚悟だ。 (石丸 泰士)

 ◇村上 泰斗(むらかみ・たいと)2007年(平19)2月20日生まれ、兵庫県出身の17歳。白金小1年から白金メッツで野球を始め、猪名川中では箕面ボーイズで捕手兼外野手。神戸弘陵では2年春から背番号11でベンチ入りし、同秋からエース。最速153キロにカーブ、カットボール、スライダー、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム。50メートル走6秒3、遠投110メートル。1メートル80、76キロ。右投げ右打ち。

 ▼広島鞘師智也スカウト 馬力があるのは魅力。投手歴が浅く、これからの部分もあるが、素材はすごくいい。

 ▼日本ハム荻田圭スカウト ストレートで空振りが取れている。きょうは投げていない変化球の球種でも腕が振れている。

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