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ソフトバンク・田上「焦らず、丁寧に、地に足を着けて」1軍マウンド見据え着実に前進

スポニチアネックス 2024年7月16日 5時33分

 ソフトバンクの田上奏大投手(21)が復活へ向け、地に足を着けて一歩ずつ前へと進んでいる。背部痛によりリハビリ組での調整が続いているが、7月に入り捕手を座らせてのブルペン投球を開始。打者を相手にした投球も近づきつつある。小久保監督の言葉も胸に、焦ることなく1軍マウンドに再び立つ日を目指していく。

 田上は着実に一歩ずつ前進している。6月末に捕手を立たせての投球練習を再開。7月からは捕手を座らせて投げている。現在は背部の痛みなどもない状態で、打者に対する投球も近づいてきている。

 焦りは禁物だと自分自身に言い聞かせている。体力や筋量もしっかり戻していく必要があるからだ。「早く1軍で投げたいというのはありますけど、そこを見てやっちゃうと違うなと思うので。今やらないといけないこと、目の前のことをやっていけば、おのずとそこにいけると思う。焦らず、丁寧に、地に足を着けてやっていきたいです」と抱負を口にした。

 今春キャンプで離脱し、長いリハビリ期間があったが、ここまで来た。小久保監督の言葉も胸に前へと向かった。「落ち込みそうな時とか、駄目だと思った時に思い出すようにしている」と話したのが、2軍監督時代の指揮官から聞いた「人生はネタづくり」という考えだ。

 「どれだけ悪い時があっても“上(良い時)と下(悪い時)の差が開けば開くほど人生は面白いから”と言われていた。みんな救われる言葉だなって。落ち込むこともあるけど、そう思えれば楽しみしかなくなってくる。めちゃくちゃ印象に残っています」

 オフにはメッツ・千賀の自主トレに参加した。「準備やトレーニングでも意識するところを徹底して意識して、何事にもしっかり目的を持って毎日、毎日、継続してやっていくことが大事なんだなと思った」。大いに刺激を受けた超一流との充実した日々も、復帰への糧としている。

 入団2年目だった22年にブレーク候補として期待された。就任1年目だった当時の小久保2軍監督から「俺の船出を頼んだ」とウエスタン・リーグ開幕戦の先発を託された。4月12日のロッテ戦(長崎)では初の1軍マウンドにも立ち、白星こそつかなかったものの5回2/3を投げて2安打無失点と華々しいデビューを飾った。

 昨季は右肘の故障に泣かされるなどして1軍登板なし。つらい日々が続いているが、再び1軍マウンドに立つと信じて、着実にやるべきことを積み重ねていく。 (木下 大一)

 ◇田上 奏大(たのうえ・そうた)2002年(平14)11月26日生まれ、大阪府出身の21歳。小2の時に「バイキングジュニア」で野球を始め、投手兼外野手。住之江中時代は「西成ボーイズ」でプレー。履正社では1年秋から外野手としてベンチ入りし、2年春、夏と3年夏の交流試合で甲子園出場。ソフトバンクなどで捕手として活躍した田上秀則氏は叔父にあたる。1メートル87、93キロ。右投げ左打ち。

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