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旭川実 152キロ右腕・田中が苦しみながらも4失点完投で北北海道4強一番乗り

スポニチアネックス 2024年7月16日 5時3分

 ◇第106回全国高校野球選手権北北海道大会準々決勝 旭川実6―4士別翔雲(2024年7月15日 旭川市スタルヒン)

 北北海道大会準々決勝で、旭川実の最速152キロ右腕・田中稜真主将(3年)が士別翔雲に11安打4失点を喫しながら、自ら左越えソロを含む2安打2打点の活躍で4強入り一番乗りを果たした。

 絶対エースが苦しみながら激闘を制した。気温30度超えの中で133球。11安打で4点を失ったが、田中は何度も雄叫びを上げて自らを鼓舞し、最後までマウンドを守った。2点リードの9回には最後の打者を10個目の三振で仕留めた。

 「厳しい試合でも勝ち切れたのが大きい。ピンチがいつも以上に多かったが、ヒットを打たれてもピンチで締める。疲労の蓄積はあったがギアを上げた」

 兄・楓基はロッテ投手で、この日はネット裏にヤクルト、DeNA、中日、日本ハムの4球団が視察に訪れ、最速149キロをマークした。それでも前日の南大会で北照のプロ注目左腕・高橋幸佑の試合を映像で見て、田中は「直球が強く、自分にはまだ足りないという刺激を受けた」とライバル心を燃やす。

 一方で打撃では2回に右中間適時二塁打で同点に追いつき、6回には公式戦3本目の左越えソロで突き放した。これには田中も「打撃はたまたまだが、なんか調子がいい」と笑みがこぼれた。

 試合中はベンチから何度も「4」の数字が示された。支部予選で4番だった背番号4の相田望斗(3年)が9日の練習中に右手首を骨折。北大会から新4番を務める白川蓮也(3年)は3回に左中間へ勝ち越し2点三塁打。相田の気持ちも背負い、「(田中の)粘って投げる姿に絶対に決めたかった」と振り返った。

 主砲の離脱、そしてエースが苦しい時こそ全員で力を合わせる。「こういう試合をものにできたのは大きい」と岡本大輔監督。10年以来14年ぶりの夏の甲子園まで、あと2勝に迫った。(武田 政樹)

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