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谷口キヨコ リスナーさんの喜ぶ顔で実感できる…ラジオの未来や存在意義 

スポニチアネックス 2024年7月16日 16時23分

 【谷口キヨコのごきげん!? SOLOライフ】一緒にラジオ番組を作っている女性ディレクターが、イベントのお手伝いに行ったそうです。そのイベントの主役の方は、テレビのアナウンサーをされたあと、ラジオでレギュラー番組を担当してはります。80歳のお誕生日記念でもあり、ラジオに携わってから20年ということもある、おめでた尽くしのパーティーだったそうです。

 そのパーティーの概要をネットで調べてみると、会場はリーガロイヤルホテル、会費は1万円でお食事も提供されるガチパーティー。チケットは即日完売! すごいです、ほんまにすごい!

 ご本人の芸とお人柄、スタッフとリスナーさんからの熱い思いが、即日完売のパーティーという目に見える形になったんやと思います。素晴らしいことです、リスペクトです、ほんまにおめでとうございます!

 で、それをお手伝いした彼女が言ったことがとても印象的でした。「80歳ですよ!80歳であんなにお元気で。トークやお人柄はもちろんすごかったけど、リスナーさんの笑顔! あれがめちゃ良かった!みんなほんまにニコニコして、大笑いして、ほんまに喜んではるんですよ!ラジオの未来が見えました!あれはラジオの希望です!」と大コーフンして話すのです。

 「そうなんや!どんな話してはったん?どんな話でお客さまは喜ぶの?」などなど中身について聞きましたが、パーティーのほんまの意味はその方の話す内容がどうこうとかではないんでしょうね(いや、もちろん、めっちゃおもしろかった、とディレクターさんも言うてました)。その方の存在がお客さんを喜ばしてはるんやと思います。ラジオとリスナーの目指す関係でもあるなと思いました。

 それと、今回彼女の話を聞いて私が大きく感心をもったのは、感動した彼女にあります。「終わコン」(コンテンツとして終わっているということ)とまで言われているラジオの世界で働く私たちは、仕事に対して、そしてラジオに対して将来への不安を抱えて生きています。ラジオが、仕事がなくなってしまうんやろうか、と。

 いやいや、どんな仕事してても不安はあるよ、とおっしゃるのももっともです。ラジオの他にも「終わ○○」といわれる分野や業界で働く人たち。終わってなくても、この先に明るい未来が見えないところで働く人はたくさんいるのではないかと思います。今は世界自体がそうなのかもな、とも思うと闇に入ってしまいそうになります。

 とにかく、そんな業界や職場で若い人たちは仕事をしたいとも、しようとも思いませんよね。そもそも興味がないし、あったとしても先が見えない。ただでさえ不安定な世の中で、誰がそこで働こうと思うんですか…。

 だから業界自体がそこに慣れ親しんだ年齢の高い人たちばかりになってしまうし、その中で働く比較的若い人たちは未来に希望がもてなくて転職する…。「ラジオとラジオの仕事は好きやけど給料安いし、将来の展望見えないのでやめます」。こんな理由で辞めた人が何人いるでしょうか。

 正直言って、以前ほど「ラジオ聴いてます」と言われることはないです。「以前は聴いてたんですけどね~」と言われることが本当に多い。それはスタッフも同じでしょう。

 そんな中でも、もちろん聞いてくださってる方々はいてくれはります。でもイベントをしないと、私たちが作るラジオ番組を楽しみにしてくださっている人たちがいることが可視化されないんです。自分の作るものが人を喜ばせているという実感がないのは、エンタメに携わっている私たちにとって悲しく苦しく、自分の存在意義を疑うほどです。

 私は何をやっているんだろう、私のやっていることは本当に人を少しでも喜ばせているのだろうか…。答えがノーであれば、私たちの仕事は全く意味のないものになります。

 でも、この仕事にはちゃんと意味があるんやって、ラジオの番組があるから今日も元気でいられるって言ってくれる人がいるんや、って。彼女はそんな人たちを目の前にして、ラジオに携わっているという、自分の仕事に未来を見ることができたんやろうな、と。仕事をやり始めたときに感じていたやりがいを再確認することができたんやろうな、と。

 パーッと明るい未来ではなくても、とにかく未来を、先を感じたかったんやなぁ。未来という先と、リスナーさんというラジオの先(向こう)。そして、その先を明るくするのは、やはり、ラジオに携わる私たちなんやろうなぁ。

 さぁ、今日も生放送頑張りまーす!

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