◇大相撲名古屋場所3日目(2024年7月16日 愛知・ドルフィンズアリーナ)
昨年の学生横綱でデビュー2場所目の西幕下29枚目・草野(23=伊勢ケ浜部屋)が海乃島(29=藤島部屋)を下して今場所の初白星を挙げた。
立ち合い胸から当たって突き放すと、もう1度、2度体当たりではじいて一方的に押し出し。「本当はまわし欲しかったけど最終的には突き切れた。前に出れたので自分の相撲が取れた」と納得の内容だった。
初日は大野城(28=高田川部屋)に寄り切りで敗れた。「もちろん優勝するつもりだったので、負けてどうしよう…ってなった」。デビュー場所を初日から6連勝した将来有望な元学生横綱は、まさかの黒星発進に動揺した。翌日、兄弟子の元幕内・炎鵬(29)が大ケガからの復帰戦となった序ノ口で黒星。その夜、験直しの意味を込めて一緒に食事に出かけた。「(炎鵬が)頑張っているのを見ると、自分も頑張ろうと力になります」。この日は炎鵬も初白星。互いに験直しが効いた。
もう一人、兄弟子からの言葉が力になった。初日敗れた後、日大の2年先輩で今場所休場中の十両・尊富士(25)から「俺も去年の名古屋場所(東幕下17枚目で)初日負けてから6連勝してるから」と励まされたという。「最初負けてしまったので(来場所)15枚目以内に入るには6勝するしかない」と気持ちを切り替えて白星につなげ、ここからの連勝を誓った。