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ドジャース・大谷「出たい」 28年地元ロス五輪 野球界の未来のため「大事なこと」

スポニチアネックス 2024年7月17日 1時33分

 ドジャースの大谷翔平投手(30)は16日(日本時間17日午前9時開始)、グローブライフ・フィールドで行われるオールスター戦にナ・リーグの「2番・DH」で出場する。恒例の前日会見では、野球が2大会ぶりに実施される28年ロサンゼルス五輪への出場意欲を表明した。ド軍と10年契約を結ぶ自身にとっても、地元開催となる大舞台。野球界の未来へ向けて、素直な思いを口にした。

 パリ五輪開幕直前に大谷は世界のスポーツの祭典へ思いをはせた。左翼芝生上で行われた恒例の球宴前日会見。野球が2大会ぶりに実施される4年後の28年ロス五輪への質問が飛ぶと、迷いなく言い切った。

 「出たい気持ちはもちろんある。五輪は特別。普段野球を見ない人たちも見る機会が増える。野球界にも大事なこと。個人的にも出てみたいという気持ちはある」

 今や「世界の野球界の顔」でもある大谷の発言は、大リーグ機構(MLB)も無視できないかもしれない。これまでも先発投手が降板後にDHとして打席に立ち続けられる「大谷ルール」や、「二刀流選手」としての登録など、MLBに数々の変革をもたらしてきた。ロス五輪は28年7月14~30日に開催予定。大谷は34歳を迎える。過去メジャー26人枠の選手が、公式戦と日程が重なる五輪に出場したことはない。トップ選手の参加なら公式戦中断などの措置が必要で、ロブ・マンフレッド・コミッショナーも今年2月に過密日程を理由に大リーガーの派遣に懐疑的な見方を示していた。

 しかし、自身も米国代表での出場を熱望するMVP2度のフィリーズ・ハーパーは「(大谷の声は)後押しになるだろう」と断言した。かねて「WBCとは違う。五輪に出ることはみんなの夢。NHLを見習いリーグを中断して選手を送るべきだ」と訴えていた。ヤンキース・ジャッジも「五輪で米国代表でプレーするのはずっと夢だった。野球を五輪競技に戻すチャンスだし、MLBにとってもいいこと」と賛同した。大谷はコミッショナーとの会談についても問われ「現時点ではない。会う頻度が多くはないので、簡単に話せることではないと思う」と慎重に語った。

 野球は米国でも人気や競技人口の低迷が課題となっている。そこでMLBは海外で公式戦を行うなど国際化を推進してきた。ロス五輪は96年アトランタ以来、32年ぶりの夏季五輪の米国開催。大リーガーが参加できれば、米国代表は「ドリームチーム」が結成され、日本代表もWBC同様に大谷らメジャー選手を含めた最強チームの編成が可能になる。

 前半戦はリーグトップの29本塁打を放ち、4年連続ファン投票で選出された球宴では「2番・DH」で先発出場する。日本選手初の柵越えアーチの期待は高い。相手先発は21年サイ・ヤング賞右腕のオリオールズ・バーンズ。昨年は初アーチへの意欲を示していたが、「自分のできるパフォーマンスをしっかり準備して発揮したい」と自然体で臨む。五輪への思いも、球宴での活躍も、全てはファンのためであり、野球界のためへとつながる。真っすぐな思いを胸に、まずは夢舞台で全力を尽くす。(柳原 直之)

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