◇大相撲名古屋場所4日目(2024年7月17日 ドルフィンズアリーナ)
照ノ富士が突っ走ることはある程度予測できても、ここまで強いのか…と正直驚いています。日を重ねるごとに調子を上げていくのは横綱のVパターンですが、今場所は序盤から圧勝の連続で、充実度で言えば最近の中では一番です。
初日は平戸海相手にじっくり構えて勝利。2日目以降は別人のような早い相撲で勝負をつけています。御嶽海戦は中に入られてもお構いなし。力任せに挟みつけながら前へ前へと出て、相手に何もさせませんでした。前傾姿勢も保てているし、足もよく出ている。膝に爆弾を抱えているので長い勝負は避けたい。ダメージを軽減して後半に臨める理想的な展開です。
4日目で単独首位。早くも独走ムードが漂いますが、好事魔多しという言葉もあります。唯一の不安は、不用意に前に出て土俵際で落とし穴にはまること。そのくらいしか死角が見当たらないのも事実です。(元横綱・稀勢の里)