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元阪神・横田慎太郎さん一周忌 同期入団の岩崎、梅野、岩貞が語った思い

スポニチアネックス 2024年7月19日 5時17分

 昨年7月に脳腫瘍で亡くなった元阪神・横田慎太郎さん(享年28)の一周忌を迎えた18日、13年ドラフト同期入団の岩貞祐太投手(32)、梅野隆太郎捕手(33)、岩崎優投手(33)が本紙の取材に応じ、それぞれの思いを明かした。3人は横田さんのプレースタイルでもあった“全力疾走”を胸に刻んでシーズン後半戦への決意も口に。天国で見守る“戦友”に2リーグ制以降では球団初となるシーズン連覇の景色を見せる。(取材・構成=遠藤 礼)

 突然の別れからもう1年の月日が流れた。昨年7月18日に横田慎太郎さんが脳腫瘍のため逝去。「早かったですね」。そう梅野はこの1年を振り返ると、胸に刻んできた思いを口にした。

 「ヨコのガムシャラな姿勢がずっと残ってるので、自分がしんどい、苦しい時に頑張ろうと思えますよね」

 今季は春季キャンプ中に右肩を負傷し開幕には滑り込みで間に合ったものの、打撃面で不振に陥るなど苦しい時間も少なくない。そんな時、思い出すのが「背番号24」がユニホームを泥だらけにしてボールを追う姿、一塁ベースへ駆ける姿。「野球への愛情、姿勢、…初心を思い返させてくれる」と横田さんの遺志を継ぐように扇の要はプレーしている。

 岩崎は「ふとした瞬間にヨコのことを思い返すことは今年も何度かありました」と明かす。チームの勝敗を背負う守護神という立場。称賛もあれば、非難を受け止める日もあったが「頑張ろうと思える」と左腕もまた活力にしてきた。あの歓喜の瞬間もそうだ。

 リーグ優勝を決めた昨年9月14日の巨人戦。横田さんの登場曲「栄光の架橋」を背に聖地のマウンドに上がり、胴上げ投手になった。「あの瞬間は忘れることはないでしょうね。ヨコの力でもありますから」。

 岩貞は2人とは違った視点で横田さんを思い返すという。「他球団の選手を見て何歳ぐらいなのかなとか思った時に、DeNAの関根とか(同じ13年ドラフトの)高卒で、ヨコもうこんな歳なんだなって」。今季は開幕から2軍で時間を過ごすだけに「前半戦は主力になれてない。後半戦は大事なところ、しんどいところとかを投げられるように。体も心も高い状態で準備して残り何十試合を突っ走れるように」と意気込んだ。

 チームは貯金2の4位。前半戦は残り3試合だ。貯金ターン、そして逆襲へ主力3人は決意を新たにした。

 「同期としてつながっている仲間が今も1軍でプレーしている。そんな姿をヨコに見てほしいし、連覇もチャンスがあるので」(梅野)

 「元気でやってるよ、現役でやってるよ、それでいいと思う」(岩崎)

 「僕ら3人には野球をやりたくてもやれない仲間が一番身近にいる。ヨコはずっと見てくれていると思う」(岩貞)

 天国で見守る横田さんに連覇という“絶景”を見せる。

 ▽23年阪神リーグ優勝と同期入団虎戦士 勝てば18年ぶりリーグ優勝が決まる23年9月14日の巨人戦(甲子園)2点リードの9回、岩崎は同期入団の横田さんの登場曲、ゆずの「栄光の架橋」でマウンドに上がり、2安打1失点で勝利。優勝の歓喜の中、岩崎は、この日のために岩貞が横田さんの母・まなみさんから借用していた形見のユニホームを梅野から手渡され「背番号24」とともに胴上げされた。

 ◇横田 慎太郎(よこた・しんたろう)1995年(平7)6月9日生まれ、鹿児島県出身。鹿児島実から13年ドラフト2位で阪神入団。3年目の16年開幕戦に「2番・中堅」で1軍初出場。17年2月に脳腫瘍が判明し、同年オフに育成選手となった。19年限りで現役引退。23年7月18日、永眠。1軍通算38試合出場、打率・190、本塁打なし、4打点、4盗塁。現役時は1メートル87、94キロ。左投げ左打ち。

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