元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(55)が19日、自身のSNSを更新。斎藤元彦兵庫県知事が同日、同県上郡町の関係者に特産ワインを要求したとされる自身の疑惑を巡り、記者団の取材にワインを受け取っていたことを認めたことに言及した。
斎藤氏は「折を見てお願いしたい」と語った自身の発言に要求の意図はなく、地元産品の素晴らしさをPRする趣旨の社交辞令だったと説明。辞職を改めて否定した。
この発言は、疑惑を告発後に死亡した元県西播磨県民局長の男性(60)が音声データに残していた。県議会の調査特別委員会(百条委員会)は同日午後の会合で、音声データを調査資料に採用するかどうかを協議する。男性はこの日の百条委で証言予定だったが、7日亡くなった。
橋下氏は「自宅に持ち帰って飲んだのはよくないがこの程度のことは多くの知事・市長もやっているだろう。しかしこのような事実があるのに第三者調査も踏まえず特定の職員を公で嘘八百と罵り、その職員が自死した事実は辞職に値する」と自身の見解をつづった。
音声データは2022年秋ごろ、斎藤氏が同県上郡町での会合に参加した際、関係者に特産ワインを要求したような内容。「飲んでいない」「折を見てお願いします」と語りかけ、「この間はイチゴ、ジャム、塩…」と地元産品を受領したことを示唆する発言もあった。男性は「おねだり体質」の証拠として残していたとみられ、遺志を受けた遺族が提出していた。
19日の斎藤氏の説明によると、22年11月に上郡町長が知事室にワイン2本を持参。斎藤氏は自宅に持ち帰り飲んだといい、記者団に「おいしかった」「知事として素晴らしい物を体験するのは適切なことだ」と語った。
元局長の男性は作成した告発文書で、斎藤氏の職員へのパワハラや視察企業からのコーヒーメーカー受領など7項目を列挙。県は内部調査の末に誹謗中傷と認定し、男性を停職3カ月とした。これに対し調査の中立性を疑う声が噴出し、県議会が百条委を設置した。