◇第106回全国高校野球選手権大阪大会3回戦 履正社5ー0四条畷(2024年7月20日 住之江)
履正社は“変則二刀流”の辻琉沙(2年)が7回無失点の好投で貢献して4回戦へ進んだ。阪神・青柳のように右下手から力強い直球と多彩な変化球を繰り出して被安打3。公式戦初登板の背番号4が大会連覇への秘密兵器に名乗りを上げた。
「緊張はなかった。とにかくストライク先行で直球で押していこうと思っていた」
中学3年時にU―15W杯の日本代表に選ばれ、当時から投手と内野手を兼任。進学後も両方を練習してきた。6月の練習試合での死球で右手親指を骨折。約1カ月間も投球できなかったとは思えない堂々の公式戦投手デビューを飾った。
最速130キロながらけん制やクイック技術も高く多田晃監督は「打者を見て投げられる。うちは右の上投げが中心なんで変則的な投手がいてくれたら」と期待した。8回からは二塁の守備に就き、無安打でも俊足を生かして2盗塁。「二刀流でいきたい」と4回戦以降も攻守のフル回転を期した。 (山添 晴治)
◇辻 琉沙(つじ・りゅうさ)2007年(平19)8月3日生まれ、滋賀県多賀町出身の16歳。5歳から多賀少年野球クラブで野球を始めて主に遊撃手。中学では野洲ボーイズに所属し、中学日本代表として「WBSC U15ワールドカップ」に出場。履正社では1年夏の甲子園に背番14でベンチ入りし、1年秋から背番号4。50メートル走5秒9、遠投100メートル。1メートル72、65キロ。右投げ右打ち。