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【内田雅也の追球】プレーも、シーズンもあきらめてはいけない 良き夏休み、後半戦のために必勝の気構えを

スポニチアネックス 2024年7月21日 8時1分

 ◇セ・リーグ 阪神0ー1広島(2024年7月20日 甲子園)

 連夜の0―1敗戦はさすがにこたえる。

 延長11回表、決勝点の失い方が寂しい。先頭打者に、昔風の言い方でツーナッシング(0ボール―2ストライク)からの四球が痛いし、バント処理の悪送球も痛かった。無死満塁、再びツーナッシングからの高め直球も犠飛をあげられた。

 途中、無死一塁から一塁悪送球の際、続く三塁送球もそれた。この時、左翼手・植田海はよくバックアップし、三塁オーバーランの走者を刺そうと投げたが、佐藤輝明の体勢が悪かった。すぐ構えていれば、アウトにできたかもしれない。

 つまり、最後まであきらめてはいけない。「野球にがっくりは付き物だ。問題はその後だ」と大リーグ歴代3位、監督通算2902勝のトニー・ラルーサが語っている。

 以前も書いた。現監督・岡田彰布は現役時代、2死満塁から右中間突破のサヨナラ打を浴びても二塁上で返球を呼んでいた。一塁走者が二塁を踏んでおらず、封殺できたと悔しがった。

 この日から多くの小中学校が夏休みに入った。スタンドに少年少女、家族連れの姿が目立った。

 プロ野球も夏休みが目の前である。きょう21日でレギュラーシーズンを小休止、オールスターブレークに入る。この夏休みをどう迎えるか。

 あの日本一となった1985(昭和60)年を思う。球宴前最終戦は7月18日、岡山県野球場での広島戦だった。

 広島は首位。阪神は4ゲーム差で追っていた。この試合に毎回の20安打で11―4で快勝。3ゲーム差として球宴休みを迎えることができた。

 当時監督の吉田義男が語っている。「負けていれば5ゲーム差だった。5ゲームと3ゲームでは全く違う。後半戦に希望を持って臨むことができた。オールスター期間中にいい練習ができた」

 その広島戦、岡田は左太腿を痛め欠場していた。代わって7番二塁でプロ初先発した新人・和田豊(現2軍監督)が4安打と活躍した。ちなみに続く8番は平田勝男(現ヘッドコーチ)で4犠打を記録している。

 この日で首位広島に3・5ゲーム差。85年より半ゲーム小さいではないか。何とか3ゲーム差以内で夏休みを迎えたい。

 もう一度書く。あきらめてはいけない。後半戦へ希望をつなぐため、必勝の気構えできょうを迎えたい。 =敬称略=

 (編集委員)

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