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横浜の「守備妨害」アピールを元NPB審判員記者が解説 審判の判定も村田監督の確認も「正しかった」

スポニチアネックス 2024年7月21日 5時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権神奈川大会準々決勝 横浜9-2桐光学園(2024年7月20日 サーティーフォー保土ヶ谷)

 第106回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は20日、39大会で191試合(継続試合を含む)が行われ、神奈川大会の準々決勝では横浜が桐光学園を9―2で下し準決勝に駒を進めた。6回1死一、三塁で二塁手と一塁走者が交錯して併殺を取れずに失点した場面で、村田浩明監督(38)は8度も審判団に伝令を出して守備妨害をアピール。認められなかったが、直後の攻撃で一挙6点を奪い試合を決めた。

 まず守備妨害を認めなかった判定は正しかったのか。NPB審判員を務めた経験もある記者は「正しい」と断言できる。タッチを試みる守備者、走者の衝突の際は双方に妨害は適用されない。そして衝突の際に故意的な要素もなく「ナッシング!」の判定は妥当。正しい判定→協議→説明→放送と適切な対応だった。

 では、異例だった横浜・村田監督の8度の伝令による「確認」は不適切か。そうは思わない。一塁走者は衝突を和らげようとしたのか、両手を前に出して二塁手と衝突。見る角度によっては「故意の妨害」に見える。事実、村田監督は「審判をリスペクトしています」とした上で「こうぶつかったので」と手を前にする動作で説明を求めた理由を語った。

 判定を納得してもらうために粘り強く説明するのも審判団の仕事の一つ。たとえ横浜が逆転負けを喫しても、昨年のような悔いは残らなかったはずだ。(柳内 遼平)

 ▽横浜の昨夏の神奈川大会決勝 3大会連続の甲子園出場を狙ったが、慶応に逆転負け。2点リードの9回無死一塁の守備で4―6―3の併殺崩れで1死一塁と思われたが、二塁判定はセーフ。遊撃手の緒方漣主将が触塁できず空過したという判定で無死一、二塁となり、その後、慶応の渡辺千之亮に逆転3ランを被弾。緒方主将、エース左腕・杉山遥希らの涙は止まらなかった。

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