◇WBO世界フライ級王座決定戦 アンソニー・オラスクアガ KO3回2分50秒 加納陸(2024年7月20日 東京・両国国技館)
8年ぶり2度目の世界挑戦も、加納はベルトに届かなかった。「もらったらいけないパンチをもらったので。負けました」と振り返り、目を潤ませて「世界戦の素晴らしいリングで試合をできた。しっかり結果を出したかった」と悔しがった。
初回からパワフルに左右を振り回すオラスクアガに主導権を握られた。3回に相手右フックでガードを外され、そこに強烈な左アッパーを食らって、立ち上がれなかった。
18歳だった16年に最軽量ミニマム級で世界初挑戦し、成長に従いフライ級へ転級。しかし世界の壁は厚かった。今後について「負けてすぐにその答えは出ない」と明言を避けた。
▽オラスクアガ―加納VTR 加納は果敢に打ち合ったが、3回KO負けした。序盤から距離を詰めて積極的に仕掛けた。しかし、接近戦では分が悪く、相手の強打でペースを握られる。最後は右で防御を崩され、左アッパーで仕留められた。オラスクアガは、力強い左右のフックやアッパーを回転よく打ち込む万全の内容だった。パワーでも手数でも上回り、早々に勝利をつかんだ。
《オラスクアガ 中谷と記者会見も同席「夢がかなった」》
○…WBOフライ級3位のオラスクアガは加納を強烈な一撃で沈めた。3回、右フックで相手のガードを吹き飛ばすと、空いた顎に左アッパーを打ち込んでKO。「パンチが入れば勝てると思っていた」と自慢の強打で圧倒した。ロサンゼルスを拠点とする中谷潤人と一緒に練習してきた25歳は、記者会見にも仲良く同席。昨年4月にWBA・WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗に9回TKO負けしたが、2度目の世界挑戦でベルトを手にし「こんなに早く世界王者になれると思っていなかった。夢がかなった」と笑顔を見せた。