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カブス今永昇太 メジャー自己最多10奪三振の快投も痛恨被弾で9勝目ならず チームは延長サヨナラ勝ち

スポニチアネックス 2024年7月22日 5時59分

 ◇ナ・リーグ カブス2―1ダイヤモンドバックス(2024年7月21日 シカゴ)

 カブス・今永昇太投手(30)が21日(日本時間22日)の本拠地シカゴでのダイヤモンドバックス戦に先発登板。後半戦初戦は7回90球を投げ、2安打、1本塁打、1失点、10奪三振、2四死球で降板し、勝ち負けはつかなかった。試合は9回、鈴木誠也の中前適時打で1―1の同点に追いつき延長戦に突入。延長10回1死満塁からホーナーの押し出し四球でサヨナラ勝ちした。

 痛恨の1球だった。今永は6回2死まで無安打投球を続け、7回1死までわずか1安打しか許さない文句なしの投球を続けていた。だが、その7回1死から5番・スアレスにこの日の85球目、90・8マイル(約146・1キロ)の速球を左翼場外まで運ばれた。頼みの打線も今永が登板していた7回までわずか1安打と全く援護できず。今永は被安打わずか2、しかもメジャー自己最多の10三振を奪いながら、援護なく無念の降板となった。

 序盤から圧巻の投球を披露した。初回、先頭のマルテは82・6マイル(約132・9キロ)のスプリットで空振り三振。2番・グリチェクからは92・2マイル(約148・3キロ)速球でメジャー通算100奪三振目となる空振り三振を奪った。そして、3番・グリエルは外角に92・8マイル(約149・3キロ)をズバッと決めて見逃し三振。3者連続三振という文句なしの立ち上がりを見せて、スタンドを沸かせた。

 2回は先頭のウォーカーに死球を与えたものの後続をピシャリ。3回はわずか6球で3者凡退に抑えた。4回も先頭・グリチェクを四球で歩かせたが、今度も後続を3人で抑えた。5回も3者凡退とし、6回2死までノーヒット投球を続けたが、グリチェクに中前に運ばれた。それでも動揺することなく続くグリエルを右飛に打ち取った。捕手・ニドとは初めてのコンビだったが、誰が見ても“エース”の風格漂う投球だった。

 今永は前半戦で17試合に登板して8勝2敗、防御率2・97はもちろんチームトップの成績。16日のオールスター戦にもカ軍で唯一選出され、4回の1イニングを3人でピシャリと抑えてみせた。ルーキーの日本投手が球宴で登板するのは95年の野茂英雄以来、29年ぶり2人目という快挙でもあった。

 球宴の試合前にはドジャース・大谷に話しかけ「俺、結構、癖のこと言われるんだよね」とグラブの大きさ談義に花を咲かせた。また、ブルペンでは同じナ・リーグで先発したパイレーツの怪物右腕・スキーンズの投球練習を観察。「トップ選手が一人一人しっかり準備している。フィジカルで劣る自分は準備を適当にできないなと勉強できた2日間だった」と大きな刺激を受けるとともに、チームの柱としての自覚も漂わせていた。

 結果的に試合には勝ったが、快投を演じながらの無念の降板となった今永を援護できなかった打線には何らかのテコ入れが求められそうだ。

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