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山村学園 プロ注目左腕・西川140球3失点完投で8強進出 食トレで2年前の雪辱果たす

スポニチアネックス 2024年7月22日 20時23分

 ◇第106回全国高校野球選手権 埼玉大会5回戦 山村学園6―3聖望学園(2024年7月22日 県営大宮)

 山村学園は聖望学園に逆転勝ちを収めてベスト8進出を決めた。エース左腕の西川歩(3年)が9回7安打3失点で完投。140球の熱投で12三振を奪い、2年前の準決勝で敗れた相手に雪辱を果たした。

 ギアを入れた。初回1死二、三塁。いきなり迎えたピンチに西川は「三振を狙いにいった」と4番の中村アラシュ(3年)を外角直球で見逃し三振。ここから奪三振ショーが始まった。

 続く5番の向深沢要(3年)も空振り三振に斬ると、3回1死まで6者連続三振。1メートル71と小柄ながら躍動感あるフォームから放たれる最速146キロの伸びのある直球に、相手打線が高めでも手を出した。キレのあるスライダー、カーブ、フォークも駆使。3回に味方の失策も絡んで3失点したが、「5回ぐらいから、ゾーンに入ったのかわからないけれど、体も軽くなった」と4回以降は本塁を踏ませなかった。

 昨秋の大会後に岡野泰崇監督と進路面談。プロ入りを明確な目標に設定し、指揮官から「もし本当にプロに行くのであれば、野球でお金もらう人になるわけだから、やれ走れだの、やれ練習しろだのはもう一切言わない。だから、自分で頑張ってやれ」と自覚を促された。

 「第一に体重が足りない」と自己分析し、食トレを敢行。学校に1日10個のおにぎりを持参し、休み時間のたびにほおばった。「家帰ってからも食べて、お風呂入ってからも食べて」と懸命の努力で体重は68キロから75キロに増量。肉体改造の成果で球速も最速141キロから5キロアップ。「アベレージで140キロ以上出るようになった」と成長し快投につなげた。

 1年生ながら背番号19でベンチ入りした2年前の準決勝で敗れた聖望学園を撃破。当時は登板はなかったが「2度同じ相手には負けられない」と先輩の雪辱を果たした。「今日はもう西川に全部任せる」と送り出した岡野監督の信頼にも応える熱投だった。同校初の甲子園出場まで、あと3勝。西川は「まずは次を勝つこと」と一戦必勝を誓った。

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