◇第106回全国高校野球選手権福岡大会準決勝 福岡大大濠7ー0福岡大若葉(2024年7月22日 北九州市民)
1989年以来35年ぶりの出場を目指す福岡大大濠は福岡大若葉との“兄弟校対決”に7―0で勝利。プロ注目の柴田獅子(れお、3年)は3度申告敬遠されたが、7回コールドの快勝だった。
6点リードの6回2死三塁。福岡大大濠のプロ注目149キロ右腕柴田はこの日3度目の申告敬遠で歩かされ、苦笑いを浮かべた。
直後に永田蒼翔(3年)がこの日2本目のタイムリーを放って決定的な7点目が入る。92年夏の甲子園で星稜・松井秀喜が5打席連続敬遠されたが、その存在感も“ゴジラ級”だった背番号1は「あそこまで(四球を)もらうとは思いませんでした。一つの対策としてあるのかなと思います。意識してもらえるのはありがたいです」と笑みを浮かべた。
唯一の勝負は4回だった。2死二塁で変化球を打った打球は高々と上がった右飛だった。「詰まりました。一打を打たないといけない」と反省。それでも後を打つ5番の永田と6番の豊田雅楽(2年)がともに2安打2打点。準々決勝から高校通算19本塁打の柴田を4番に置いた八木啓伸監督は「うまく(永田と豊田の)2人が機能している」と評価した。
福岡大の付属校対決に勝利した試合後、福岡大若葉の藤川主将らから「決勝頑張ってくれ」と思いを受け取った柴田。決勝の西日本短大付には昨秋、今春と福岡大会で勝っているが慢心はない。「大事な試合で負けたら意味がない。気持ちで勝つしかない」と決意。35年ぶりの聖地へ“夏に勝てない大濠”という不名誉な呪縛はこの男が解く。 (杉浦 友樹)