新庄政権初のAクラス&貯金で前半戦ターンを決めた日本ハム。23日、本拠地エスコンフィールドで第1戦が行われる「マイナビオールスター2024」には最多の10選手が選出された。いずれもファン投票で初選手となったアリエル・マルティネス捕手(28)、上川畑大悟内野手(27)、郡司裕也捕手(26)による、球宴座談会が実現。快進撃を支えた裏側や、新庄剛志監督(52)への珍要求など、ぶっちゃけトークを展開した。(取材・構成=田中 健人)
上川畑(以下上) オールスターですね。僕以外は、選ばれて当然というか…(笑い)。
郡司(以下郡) やめてくださいよ!そういう謙遜スタイルは。
上 あなた(マルティネス)、成績グッドよ。
マルティネス(以下マ) でも、パ・リーグの中だったら(上川畑が)二塁で一番だよ。本当にいい二塁手。
上 本当に?センキュー。
郡 胸張っていきましょうよ。
マ 一番、お金を稼いでる選手だしね。
上 稼いでねーよ!でも、前半戦はグワチョ(マルティネス愛称。スペイン語で“優れたカウボーイ”の意味)のおかげじゃない?
郡 勝負強いですからね。いいところでいつも打ちますから。
マ ちょっと調子が下がってきちゃったけど、また上げたいね。ところで、郡司の三塁はスゴイね。三塁であまり出たことがなかったと思うし。
郡 あまりじゃないですよ。全くです。大悟(上川畑)さんからも僕の評価をしていただきたい。
上 え~…。でもうまいと思う!(笑い)1年目にしては粘っているんじゃない?高校野球で三塁やるのとプロでやるのは全然、違うから。
郡 名手から粘っているのお言葉を頂きました。三遊間の微妙な打球は「行って、大悟さん!」って感じで助けてもらう。
上 まだ感じないな。水野にはそんな感じでやられていたと思うけど(笑い)。
――それぞれの良いところは?
上 グワチョはフレンドリーだよね。
マ いい友達でもあるし、本当に仲間のことを考えてくれてる2人ですね。
郡 当たり障りのない回答…(笑い)。
マ いつものふざけたことを言うと、特に大悟はめっちゃかまってくれる。打撃も調子いいし、本当に尊敬しています。
上 ミーも尊敬してるよ。
郡 グワチョは打てない時に励ましてくれる。
マ 郡司とは中日時代から一緒にやってるし、本当に努力しているからね。
郡 ウエスタン・リーグからの仲ですから。3番・郡司、4番・アリエルは中日の2軍時代からやっていた。
マ キャッチャーの練習も一緒にしているし。
郡 そして、お互いキャッチャーをほぼやってないという。本当に境遇が一緒ですね。
マ 中日の時もキャッチャーからレフトに行って、そこからファーストに行って、って一緒に動いている。
郡 一緒に旅行して今、北海道にたどり着きました(笑い)。大悟さんの好きなところは…。
上 出てこない…(笑い)。
郡 いやいや!あ、大悟さんはめちゃめちゃおしゃれ。車とか服もマジでおしゃれ。
上 絞り出してくれてありがとう。郡司の打撃は好き。技術も凄いけど、頭も使っている。さすが慶応。
郡 球宴では僕と大悟さんが一、三塁で塁に出たら、重盗しようって言ってる。一塁走者がこけるでもいいですし、普通に重盗でもいいですし。でも果たしてそんな場面が来るのかどうか。
上 打順もどうなるか分からないし。
郡 まあ、そのぐらいの足跡を残したい。お祭りで笑いながらやる選手もよくいるけど、もう、ガチでいきます。二遊間のゴロでも一塁ヘッドスライディングしようかな。
マ 俺が打席に立っていたら、ホームランを打つから重盗はできないと思うよ。だからもし、したいんだったらサイン出して(笑い)。
郡 グワチョがホームラン打ってMVP獲ったら、その賞金で寿司とか焼き肉に行くとかね。
マ じゃあ獲ったら3人でね。
郡 大悟さんはセーフティーバントとかやったり。球宴でセーフティーやったことある人いるのかな?
上 グワチョがいいじゃん。予告本塁打してセーフティー。
郡 バントやったことないでしょ。
マ ナイ…。でも、ヒーローになったら(新庄監督から)プレゼントが欲しいね。
郡 監督賞をよこせって?ずうずうしい男だな…(笑い)。
上 ネックレスが欲しい。なんかあげている選手とあげていない選手がいるから。
郡 ネックレスぐらいしか思い浮かばないですね。
上 現金かな。
郡 (笑い)。現金が一番いいですけど…。そんなずうずうしいお願いは僕はできない。とにかく、全力の姿勢を見せられれば。実力が追いついているか微妙なので必死にやりたい。エスコン開催ならではの(大量)選出だと思うし。
上 僕も同じです(笑い)。決してチャラチャラしたプレーだけはしないように。
マ こんなに選ばれることは次にいつあるか分からないので、本当に楽しみたい。大悟が本塁打を打つと思うので学んでいこうと思います。
上 任せろ(笑い)。
≪チームの雰囲気の良さ伝わる和やかさ≫【取材後記】それぞれの性格が色濃く感じられた。郡司は、定評あるコメント力でクスッと笑える一言を挟む。一方、上川畑は会話の流れを見ながら発言する3人の「調整役」のような存在でいてくれた。守備職人らしく、広い視野と空気を読む力にたけている。日本の学年で数えれば、上川畑と同学年のマルティネス。「チームの中でも特に2人は良くしてくれる」と言っていた通り、感謝と尊敬の言葉を繰り返した。それぞれの人柄の良さから終始、和やかなムードはチーム全体の雰囲気の良さを表している。23日の球宴第1戦は本拠地・エスコン。担当記者として、誰かがMVPを獲れるような活躍をしてくれればと願っている。(田中 健人)