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【高校野球】レゲエ校歌の和歌山南陵が敗退 3年生10人の野球部は活動終える

スポニチアネックス 2024年7月23日 12時36分

 ◇第106回全国高校野球選手権和歌山大会3回戦 和歌山南陵0-7智弁和歌山(2024年7月23日 紀三井寺公園野球場)

 和歌山南陵はレゲエ調の新校歌を勝利の凱歌にすることはできなかった。「最初はこれが校歌か?と思った。でも、少し歌えるようになりました」と話した松下光輝投手(3年)が先発し、自己最速となる146キロを投げ込んで智弁和歌山に挑んだ。

 和歌山南陵は経営難から生徒の新規募集ができず、3年生18人だけの高校だ。野球部は10人、男子バスケットボール部が6人、吹奏楽部が2人。バスケ部がインターハイに出場することもあって夏の和歌山大会2年連続4強の野球部にも期待がかかっていた。初戦の紀北農芸戦に勝って歌った新校歌はSNSで話題になって注目を集め、この試合にはテレビ局のクルーが3局集まって和歌山南陵を密着したほどだ。

 智弁和歌山は強かった。松下の最速直球も跳ね返され、5回には2ラン本塁打を浴びた。「力を振り絞って投げたら146が出ました。10人のチーム、校歌で話題になったけど終わってみれば楽しかった」と松下。0―7のコールド負けだったが、背番「10」畑中公平内野手が代打に立って最後の打者になり“全員野球”はやり切った。松下は大学に進学して和歌山南陵野球部の軌跡を残すことにしている。「連合チームではなく、和歌山南陵の10人で挑むことができて良かった」と話す松下の言葉はナインの本音だろう。

 旧経営陣を刷新し、新体制で理事長を務める甲斐三樹彦氏(52)は「新しい校歌で若い人たちが注目してくれたら。生徒はお客様。まずは南陵を知ってもらうことから始めようと。学校はなくなりません。生徒募集ができるように、校歌の歌詞のように“一歩ずつ”始めているところです」と話している。野球部の活躍に絡めて新校歌をアピールできた。

 3年生だけの野球部はこれで活動が終わる。岡田浩輝監督(27)は「『ひと区切りの夏』としていましたからね。僕は少し野球を離れようとも思っています」と話す。強烈なインパクトの校歌を残して和歌山南陵野球部は活動を休止する。

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