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声優・小原乃梨子さん死去 テレビ草創期を支えた声優界の“第一人者” 功績を振り返る

スポニチアネックス 2024年7月23日 17時5分

 アニメ「ドラえもん」の野比のび太役、「ヤッターマン」ドロンジョ役で知られる声優・小原乃梨子(おはら・のりこ、本名・戸部法子=とべ・のりこ)さんが12日、死去した。88歳。所属する「81プロデュース」が報告した。葬儀は家族葬で執り行われた。

 小原さんは1935年10月2日生まれ、東京都出身。第二次世界大戦後、小学5年生の時に児童合唱団に入ったと、声優専門誌「声優アニメディア」が紹介している。高校卒業後、草創期のテレビ業界に入り、ドラマなどに出演。結婚後に子育てのために時間がやりくりできることから声優に転じた。テレビという新しいメディアで、「吹き替え」という仕事が全く未知の世界だっただけに、当時の混乱をインタビューなどで明かしている。

 「声優」という新たな世界を支え、1966年「ハリスの旋風」(フジ)、67年「魔法使いサリー」(日本教育テレビ、現テレビ朝日)などに出演し、「アルプスの少女ハイジ」(フジ)のペーター役、「未来少年コナン」(NHK)のコナン役など、数多くの主要キャラクターを演じた。

 75年から始まった「タイムボカン」シリーズでは「ヤッターマン」のドロンジョなどを担当。子分の失敗をとがめるセリフ「スカポンタン」は子どもたちの間でも当時よく使われた。

 79年に「ドラえもん」(テレビ朝日)でのび太役の声を務め、2005年まで26年間担当した。

 2005年に第14回日本映画批評家大賞で、「ドラえもん」オリジナルレギュラー陣とともに田山力哉賞を受賞。2007年3月3日には、声優業界の発展と人材育成の場として創設された「第1回声優アワード」で功労賞を受賞した。

 さらに2013年3月2日、第7回声優アワードでシナジー賞(タツノコプロ50周年)を受賞。メゾソプラノからアルト、ハスキーまで多色な声種を持ち、テレビCMや洋画吹き替えなど、さまざまなジャンルで活躍した。

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