人気アニメ「ドラえもん」の野比のび太役、「ヤッターマン」のドロンジョ役で知られる声優・小原乃梨子（おはら・のりこ、本名・戸部法子＝とべ・のりこ）さんが12日、死去した。88歳。東京都出身。所属する「81プロデュース」が発表した。
「ドラえもん」を放送するテレビ朝日系「スーパーJチャンネル」（月～金曜後4・48）ではこの日、小原さんの訃報を生前の声とともに伝えた。
小原さんはのび太役を05年春まで約26年間、担当した。番組では、先代のドラえもん役を務め、小原さんとともに作品を“卒業”した大山のぶ代とのインタビュー映像を放送した。
大山は「ずーっと『ドラえもん』はつながっていく。それで、変わっていく。しょうがないわよね。生身なんだからね」と、永遠に演じ続けることが不可能であることを自覚。「でも、そういうものに関われたということは最高の幸せだよね？」と、小原さんに問いかけた。小原さんも「まさかこんなに続くとは思いませんでした」と返した。
のび太はぐうたらで、勉強も運動も苦手だが、心優しい一面を持つ小学生。小原さんは「のび太君、ヒーローなもんですからね。ははははは」と、のび太に注ぎ込んだ愛情を照れくさそうに打ち明けた。大山も「ホントに雄々しい少年。ドラえもんから見てもね、のび太君は偉いなんて思っちゃうくらい」と続いた。
また小原さんは「のび太君、ちょっとダメですけど、ホントいい子です。すごくいい子」とも。のび太の声で「僕、頑張るからね！これからも、うんと頑張るからね。新しいのび太君、よろしく！」と、のび太役のバトンを渡した声優・大原めぐみにエールを送っていた。
小原さんについて、所属事務所はこの日、「令和6年7月12日 病気療養中のところ薬石効なく、88歳にて永眠致しました」と発表。「尚、葬送の儀につきましては、ご遺族の意向により親族のみにて執り行われました。ここに生前中の御厚誼を深謝し、謹んでお知らせ申し上げます」とした。
生前のインタビューを受け、井澤健太朗アナウンサーは「小原さんの野比のび太というキャラクターは、私もそうですし、多く人の中に残っていくんだろうなと思います」と話し、故人の冥福を祈った。