◇第106回全国高校野球選手権和歌山大会3回戦 智弁和歌山7ー0和歌山南陵(2024年7月23日 紀三井寺)
智弁和歌山打線が5回に爆発した。
5―0としてコールド勝ちが見え始めた2死二塁、「6番・捕手」の上田潤一郎(3年)の当たりを見上げた中谷仁監督は驚いた。「打撃練習でも本塁打を打てない上田が…」と左越え2ランに破顔一笑だ。上田も「直球をうまく拾えました。高校で初めての本塁打です」と笑顔で話した快打で7―0。レゲエ調の新校歌で話題を呼んだ和歌山南陵を下した。
春季近畿大会決勝。智弁和歌山は9回2死二塁から2球連続暴投で京都国際にサヨナラ負けを喫した。
「あれ以来、上田が後ろにそらすのを見たことがない」と中谷監督。捕手出身の指揮官が「練習の時から上田を使わなきゃ仕方ないだろうと思わせるくらい熱心にやっている。目立たないけどチームを支えている」と称える秘蔵っ子の思わぬ打の活躍で順調に8強入りした。
(千田 篤史)