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全セ広島・床田が投手では球団初の代打出場で右前打「自信はあるが打てるとは思わなかった」

スポニチアネックス 2024年7月24日 5時32分

 ◇マイナビオールスターゲーム2024第1戦 全セ11―6全パ(2024年7月23日 エスコンF)

 「マイナビオールスターゲーム2024」は23日、昨年開場で球宴初開催となったエスコンフィールド北海道で第1戦が行われ、全セが11―6で全パを下して連敗を5で止めた。全セの広島・床田寛樹投手(29)が9回1死一塁で代打としてサプライズ登場。日本ハム・田中正の155キロを右前に運んだ。球宴で投手が代打出場するのは球団初。自慢の打撃でファンの心をつかんだ8年目左腕が、24日の登板に弾みをつけた。

 誰も予想していなかった展開だった。9回1死一塁の場面。オースティンに代わって投手の床田が代打で登場した。岡田監督のサプライズに球場はどよめきに包まれた。マウンドではなく、チームメートの坂倉に借りたバットを持って田中正と対峙(たいじ)。カウント1―1から155キロを右前に運んだ。球宴で投手が代打出場するのは球団初。その記念すべき打席では自慢の打撃を披露した。

 「(代打で)いくかもと言われ、まさか本当にあるとは思わなかったですけど、(打てて)良かった。(打撃は)それなりに自信はあるが、打てるとまでは思わなかった。いい経験ができている」

 投手として前半戦はリーグトップ9勝をマークしているが、打撃でも活躍が光る。今季は30打数6安打1打点で打率・200。通算でも194打数37安打で打率・191だ。昨季は打率・275を誇った。その実力を知る岡田監督は「最後チャンスがあればということで、(広島)新井監督からの推薦」と起用の意図を説明した。相手先発の山崎も「2番・DH」に入り、初回に左前打を記録していたが、床田も負けじと快音を響かせた。小園、秋山が内野安打の中で野手顔負けの安打を放って驚かせた。

 7回終了時に「オースティンのところでいくぞ」と指揮官から伝えられ、準備はしていた。9回は1人出塁すれば出番が回ってくる状況。「“頼む誰か1人出てくれ”と思って、待っていた」。その願いが通じた。相手の田中正とは同世代。大学時代から意識していた投手の一人だった。

 「(田中正は)大学のときから凄かったので、対戦できて、凄くうれしかった。セ・リーグにも(投手で)“いい打者がいるんだぞ”というのが見せられた」

 この日は試合前からまぶしさを和らげるアイテムのアイブラックシールを目の下に貼っていた。一般的には野手が使用するものだが、小園と同じものをつけて、ベンチで戦況を見つめていた。「準備万全で打席に立てました」。さすがに出番が来ることは予想していなかったが、準備が吉と出た。

 24日の第2戦は投手として登板予定。「そこは無難に終わればいいかなと思う」。投打二刀流の活躍で今年の球宴を熱く盛り上げる。 (長谷川 凡記)

 〈投手の代打安打は68年金田以来〉○…床田(広)が9回に代打で右安打。球宴に代打で出場した投手は17年(2)戦の大谷(日)以来10人目(14度目)で、球団では初めて。安打は68年(3)戦の金田正一(巨)以来56年ぶり3人目となった。

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