パリ五輪のサッカー男子日本代表にDF内野貴史（23＝デュッセルドルフ）が緊急されることが23日、関係者への取材で分かった。DF半田陸（22＝G大阪）が左腓骨（ひこつ）を骨折してメンバーから離脱するため。国際サッカー連盟（FIFA）が公表している選手リストも更新され、バックアップメンバーに名を連ねた。五輪最終予選では副主将も務めた男が、大岩ジャパンの救世主になる。
内野は今月3日の五輪メンバー発表では、代表18人どころかバックアップメンバー4人でも名前を呼ばれることはなかった。だが、22日の練習中、半田が接触プレーにより負傷し大会期間中の復帰は絶望的。急きょ、日本サッカー協会（JFA）がメンバー入れ替えを決めたという。FIFA公表の五輪登録選手リストでは、既にDF鈴木海音（21＝磐田）がバックアップメンバーから代表18人の中に繰り上がっている。
内野は両サイドバックはもちろん、守備的MFもこなす万能選手。過密日程で行われる五輪では貴重な存在だ。4～5月に五輪最終予選を兼ねて行われたUー23アジア杯カタール大会では副主将も務めるなど、ムードメーカーとしてもけん引した。
一度はメンバー落選からの緊急招集。FIFAの選手リストではバックアップメンバーに名を連ねた。大会中の試合登録選手は代表18人にバックアップメンバー4人を加えた計22選手の中から心身の疲労を考慮した上で、試合ごとに18人を選ぶ運用。サイドバックをこなす内野は出場の可能性は高い。遅れてきたヒーローが、チームを危機から救って64年メキシコ大会以来のメダルへ導く。