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大の里 意地で横綱・照ノ富士止めた!今場所の大関昇進は厳しい状況ながら「まだ場所は終わってない」

スポニチアネックス 2024年7月25日 4時3分

 ◇大相撲名古屋場所11日目(2024年7月24日 愛知・ドルフィンズアリーナ)

 新関脇・大の里が、全勝の横綱・照ノ富士を止めた。既に5敗で今場所後の大関昇進は極めて厳しい状況だが、横綱から価値ある白星を挙げて意地を見せた。2敗だった大関・琴桜が霧島に敗れて3敗に後退したため、照ノ富士の後続と2差は変わらず。3敗勢では豊昇龍、隆の勝、美ノ海、若隆景が勝ってそれぞれ勝ち越しを決めた。

 先場所の優勝力士が存在感を見せた。ここまで圧倒的な強さで無傷10連勝だった横綱を撃破した大の里は、土俵上で力強くうなずいた。成績次第では大関獲りの可能性もあったが、10日目を終えて5敗。場所後の昇進が絶望的な中「今場所は存在感ないのでしっかりアピールしたい」と意気込んで臨み、宣言通り優勝争いを盛り上げる大仕事を果たした。

 もろ差し狙いの立ち合いから浅く差した左を抜いて体を開いて左突き落とし。「上手を取られたので動こうと」と作戦を変更する対応力も見せた。照ノ富士が前に落ちて敗れたのは、横綱昇進後2回だけ。「無理して出ない。空間を感じ取れるから引かれても落ちない」と注意深い横綱が慌てるほど、大の里の圧力が効いていた。

 大の里にとって1場所で5敗は初めて。序盤の連敗や重圧との闘いも「何事も経験」とプラスに捉えてきた。この日は「まだ場所は終わってないので」と繰り返して笑顔を一切見せず。その気概が、さらに上を目指す今後へとつながる。 (前川 晋作)

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