◇第106回全国高校野球選手権埼玉大会準々決勝 春日部共栄6―5浦和学院(2024年7月24日 レジスタ大宮)
まだ終わらせない。春日部共栄は連覇を目指す浦和学院を9回に逆転して4強入り。本年度限りで勇退を表明している66歳の本多利治監督には最後の夏で「こいつら凄いよ。こんな野球ができるなんて」と粘りを称えた。
主将が突破口を開いた。2点を追う9回1死から2番・三田村幸輔(3年)が「自分が勢いづける」と右前打。4安打4得点の逆転を呼び込み、満面の笑みで校歌を響かせた。
負けられない理由はもう一つ。6月下旬にベンチを外れた3年生の「引退試合」が行われ、相手はくしくも浦和学院で1―0で勝利していた。「自分たちも負けられないと。全員の思いも背負い残りも戦いたい」と主将。14年以来、10年ぶりの甲子園まであと2勝だ。