◇大相撲名古屋場所12日目（2024年7月26日 愛知・ドルフィンズアリーナ）
東前頭10枚目の一山本（30＝放駒部屋）が再入幕の若隆景（29＝荒汐部屋）を破って6勝6敗とした。立ち合い頭で当たって突っ張ろうとするも、相手の下からの攻めに後退。押し込まれた土俵際、左へ体を開いて上手に手を掛けて突き落とすような逆転の上手投げを決めた。
一山本は、かねてより若隆景を「推し」と公言してきた“ガチファン”。現役力士でありながら、一般の相撲ファンと同じように、相撲協会の公式通販サイト「SuMALL」や公式ファンクラブのECショップから自ら購入しているという。多数収集した私物の若隆景グッズを紹介する動画が日本相撲協会公式YouTubeで公開されると、強すぎる“若隆景愛”がおもしろいと大きな反響を呼んだ。
これまで巡業や出稽古での手合わせはあったが、念願だった本場所での対戦がついに実現。この時ばかりは「土俵に上がれば関係ない」と真剣勝負に挑み、見事“推し”から白星をつかんだ。「引退した時、これを思い出の一番に挙げます」と一生の思い出になった様子。「次も当たるかもしれないから、もっと上でやりたい」と互いに今より番付を上げることも目標に掲げた。
この日、貴重な“激レアグッズ”も手に入れた。「どうしても“一山本―若隆景”と書かれた懸賞が欲しかった。使わずに取っておきます。他のファンは持ってないでしょ（笑）」。両者の対戦で勝った人しかもらえない懸賞金の袋は、一般のファンでは入手不可能なお宝。“推し”に勝って“激レアグッズ”もゲットし「今日は良い夢見られるわ～」とご満悦だった。