100年ぶりにパリで開催される五輪の開幕を翌日に控えた25日、各国選手団が続々と到着するシャルル・ドゴール空港に異彩を放つメキシコ人が出現した。自称デジタルクリエーターのトラビエゾさん(年齢非公表)はメキシコの伝統的な帽子ソンブレロを被り、ど派手なTシャツ姿。大きなスピーカーをリュックのように背負い、ズボンのポケットにはハンドマイクを突っ込んでいた。
大音量で音楽を流し、華麗なステップのダンスも披露。五輪に出場するアスリートが到着ロビーに姿を見せる度に、大声を張り上げて場を盛り上げていた。これまでサッカーW杯を4大会(06年ドイツ、14年ブラジル、18年ロシア、22年カタール)現地観戦して、同様のスタイルで会場の雰囲気づくりに一役買ってきた。
サッカーW杯でスポーツの祭典に魅せられ、今回は五輪を初観戦。空港の警備員に何度も音を小さくするように注意されながらも心が折れることはなく「スポーツは最高だぜ!東京五輪はコロナで行けなかったんだ。今回は1カ月滞在予定で、サッカーと重量挙げを楽しみにしている」と声を弾ませた。
この日はブレイキン日本代表がパリ入りした。日本選手団の旗手を務める半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX)ら日本が世界に誇るブレイクダンサーとのコラボが期待されたが、ニアミス。到着直前に「用事があるから帰るよ。アディオス!明日も来るぜ。明日は開会式?じゃあセーヌ川に行った方がいいか」と言い残して空港を後にした。