◇パリ五輪（2024年7月26日）
パリ五輪の開会式が直前に迫る中、フランス国鉄は26日、高速列車TGVの路線網に25日夜から26日にかけて大規模な破壊行為があったと明らかにした。TGVの運行スケジュールが大幅に乱れるなど、フランス各地で大きな影響が出ている。
25日にナントで行われたサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」初戦スペイン戦の取材をした本紙カメラマンも移動中に騒動に直撃した。
ナント発のパリ・モンパルナス行きのTGVに乗っていた記者は、大規模な破壊行為の影響で途中のル・マンで約5時間足止め。その際には国鉄関係者からドリンクや乾燥フルーツなどが段ボールに詰められた非常食が配布された。
記者によると、乗っていたTGV内や停車していたル・マンの駅構内で大きな混乱はなく、乗客は落ち着いた様子だったという。同じ列車内には報道陣以外には日本人はおらず、5時間ほど停車した後にパリに向け運航が再開された。
一方、パリのモンパルナス駅では現地の人々や各国の観光客が国鉄関係者や警察当局に状況を聞こうと混乱が続き、復旧に予定よりも時間がかかっていることもあり不安そうな表情で電話をする人が多く見られた。
日本選手団の中では、なでしこジャパンのメンバー・スタッフが移動スケジュールに影響を受け、急きょ大会組織委員会が手配したバスで移動することに。警備の先導付きで第2戦のブラジル戦の会場があるパリに向かった。
パリ五輪開会式まであと4時間。「開会式に影響はない」と仏警察当局がアナウンスしたが、混乱は続いている。