◇セ・リーグ 阪神5―1中日(2024年7月26日 甲子園)
【記者フリートーク】いつも笑顔の森下が、その話題になると顔をゆがめる。プロになった今も笑顔でノックを受け、喜んで走塁練習に取り組む野球小僧に「あのときは毎日の練習に行くのが嫌になるくらいだった」と言わしめる。東海大相模高の猛練習だ。
当時は、土日も関係なく朝から晩まで練習をすることが、しばしば。「これ以上やったやつはいないだろう。これでダメなら仕方ないというくらい練習することを覚えた」という言葉は決して大げさではない。絶望すら感じる日々に耐えたからこそ今の森下がある。
だから、努力が苦にならない。2軍再調整中の鳴尾浜では、全体練習後に1~2時間ほど打撃練習に励み、さらに筋力トレーニングで体をいじめ抜く森下がいた。人並み外れた練習量を当たり前にできる心身の強さが、1軍舞台に返り咲けた一大要因と言える。
母校は、今夏の甲子園出場を決めた。「相模の練習」は裏切らない――。この日の一撃で、日本一を目指す後輩たちにゲキも飛ばした。(阪神担当・松本 航亮)