◇大相撲名古屋場所14日目(2024年7月27日 愛知・ドルフィンズアリーナ)
昨年の学生横綱で西幕下29枚目の草野(23=伊勢ケ浜部屋)が救急搬送されるアクシデントが起きた。
西ノ龍(23=境川部屋)との一番。激しい押し合いから西ノ龍が横から振りかぶって左で強烈な張り手を繰り出すと「バチン!」と大きな音が館内に響き渡った。“左フック”をまともに浴びた草野は膝から崩れ落ち、そのまま真後ろに倒れた。その瞬間から全く動けなくなり、土俵近くに常駐する救急救命士や警備の親方衆らによって担架で搬送。まわし姿のまま救急車で運ばれた。
草野は一時的に気を失っていたが、数分後には意識を取り戻した。医師の問いかけに応じ、手足も少し動かすことができていた。草野を指導する伊勢ケ浜部屋の宮城野親方(元横綱・白鵬)はすぐに駆けつけ、救急車に乗せられるまで近くに寄り添った。宮城野親方によると、張り手で脳振とうを起こした上に後ろへ倒れて頭を打ち「頭と首が痛い」と話していたという。
強烈な張り手でフラフラになる場面はしばしば見られるが、一発でここまで失神するのは珍しいこと。土俵上で仰向けの状態で気を失う様子はあまりに衝撃的で、館内はしばらく騒然としていた。このまま大事に至らないことを祈りたい。