◇パリ五輪第2日 バレーボール男子1次リーグC組 日本―ドイツ 日本2―3ドイツ(2024年7月27日 パリ南アリーナ)
52年ぶりの五輪金メダルを狙う世界ランキング2位の日本は、初戦で同11位のドイツと対戦。2時間23分に及ぶ大熱戦となったが、セットカウント2―3で逆転負けを喫し、黒星発進となった。
【福沢達哉氏の目】
ドイツは日本に対してサーブ&ブロックを軸に攻めてきた。事前に警戒していた点ではあるが、結果的にブロックで18本も決められたことが今日の敗因の一つだと感じた。
日本は初戦ということと、勝ちたいという強い思いが先行し、少し攻め急いでしまったように思う。サーブのいい相手に対して重要なのは、サーブレシーブが乱れた時に一本で決めようとしないこと。日本の強みの一つである冷静な状況判断と、緩急をつけたアタックでラリーに持ち込み、日本のペースで試合をコントロールできれば、攻略できただろう。
流れをつかめそうなところもあったが、第4セットで2度、チャレンジに成功したように、ドイツの粘り、パフォーマンスが素晴らしく、選手起用もはまった。対して日本は、相手を追い込んではいたものの、勝負所での1点が遠かった。
どちらが勝ってもおかしくない紙一重の勝負。負けはしたが、悲観的になる必要はない。C組の4チームは力の差がなく、この試合で改めてオリンピックで勝つことの難しさと1点の重みを感じたと思う。まだ大会は始まったばかり。大事なのは、この敗戦をどう生かすか。ここからの日本の底力に期待したい。(元日本代表、大阪ブルテオン・アンバサダー)