◇第106回全国高校野球選手権石川大会決勝 小松大谷5ー0星稜(2024年7月27日 石川県立)
小松大谷が、3年ぶり3度目の夏切符を獲得した。準決勝で日本航空石川、決勝で星稜と、今春の選抜に出場した2校を破った。
10年前の14年決勝で小松大谷は9回まで8点をリードしながら、9回に星稜に9点を奪われてサヨナラ負け。甲子園の道が消えた。19、22年決勝も星稜に敗れた。前回出場した21年決勝は金沢が相手で、星稜と当たらないまま2度目の出場を果たしており、決勝での“星稜の壁”を越えることは悲願だった。
「あれから10年、俺たちがリベンジしよう」。試合前アップでナインは誓い合った。初回、3番・田西称(たさい・とな=2年)の通算14本目の右越え2ランに力をえて、先発・西川大智投手(3年)は星稜打線と相対した。
西川が奪った三振は一つだけだが、18個のフライアウトを奪ったのは計算通り。「緩急でストレートを際立たせるためにチェンジアップとスライダーを使った。“1回分の1”の思いが9回まで続いた」と先を考えず打者に集中し続けた結果、甲子園の道を完封で開いた。 (千田 篤史)