◇パリ五輪第3日 柔道(2024年7月28日 シャンドマルス・アリーナ)
史上初の兄妹同日五輪連覇へ出陣。女子52キロ級の阿部詩(24、パーク24)が28日、初戦で出口ケリー(25=カナダ)を完璧な大外刈りで一本勝ちを収め2回戦に進出した。
完璧な勝利で詩のパリ五輪が幕を開けた。初の有観客五輪。会場の声援を浴びながら登場した詩は、集中した表情で2度目となる五輪の畳に上がった。軽快な動きで出口に仕掛け続けた詩は、開始57秒に完璧な大外刈りで一本勝ち。表情を変えることなく畳に一礼し引き揚げた。
東京五輪金メダリストながらノーシードの詩。大会前の組み合わせ抽選会で長野出身のデグチの次は2回戦で世界ランキング1位のディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)、準決勝で地元フランスのアマンディーヌ・ブシャールと対戦することが決まった。
昨秋に腰痛を発症。10月に予定していた国際大会出場を取り止めた。年明け以降に2大会を挟めばシード獲得は確実だったが、「シードに入るよりも自分のコンディション面を優先した」と自重。「どこに入ってもいいかなと思っている。結局は全部勝たないと金メダルはないので」と語っていた。
多くの偉業がかかる一日。メダルマッチでは兄妹で先に登場する一二三が連覇を達成すると、日本柔道通算50個目の金メダルとなる。また、27日の男子60キロ級で永山竜樹(SBC湘南美容クリニック)が獲得した銅メダルは、日本柔道通算98個目のメダルとなった。阿部兄妹がそろってメダルを獲得すれば、通算100個に到達。もちろん、詩も金メダルで大台到達に花を添える。