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菅野智之 3年ぶり完封は「格別に気持ちいい」「ここまでいろんな苦難…一つ乗り越えられた気がします」

スポニチアネックス 2024年7月28日 21時40分

 ◇セ・リーグ 巨人6―0DeNA(2024年7月28日 横浜)

 巨人の菅野智之投手(34)が28日のDeNA戦(横浜)で9回を7安打無四球に抑えて3年ぶりの完投&完封勝利を飾り、床田(広島)に並んでリーグ最多タイとなる今季9勝目(2敗)を挙げた。

 2021年4月16日のDeNA戦(横浜)以来1199日ぶりとなる完封勝利。完投勝利も2021年4月23日の広島戦(東京D)以来となった。通算22度目の完封は巨人では桑田真澄を抜き、球団単独12位の記録だ。

 「いやもう、久しぶりの完封なんで。格別に気持ちいいです」。

 汗びっしょりの姿で受けた敵地でのヒーローインタビューにも実感がこもる。

 前回の完封がいつか覚えているか聞かれると「いつですかね。もう当分してないんで。記憶にないです」とし、「ふふっ」と笑い声。3年ぶりと教えてもらうと「そう…ですね。ここまでいろんな苦難がありましたけど、きょう、なんか…一つ乗り越えられた気がします」と感慨に浸った。

 10月には35歳を迎えるシーズン。そして、猛暑での屋外球場。だが、責任感の強い菅野にそんなことは関係なかった。

 開幕から15試合連続で同学年の盟友・小林とバッテリーを組んでマウンドへ。前回DeNA打線と対決した14日(東京D)には初回に5安打4失点と打ち込まれたが、この日は初回から150キロを計測し、3番・佐野をカーブで空振り三振に仕留めるなど3者凡退で順調にスタートを切った。

 3回には吉川、坂本と内野の名手2人に失策が出て無安打で2死一、三塁となったが、得点を許さない。6回の1死一、二塁も4番・牧を併殺打に仕留めて切り抜けた。

 8回までに101球を投げていたが、9回も続投。佐野と宮崎に安打されて1死一、二塁となったところで小林がマウンドへ行き、ひと呼吸おくと、蝦名をフォークボールで空振り三振、代打・柴田は中飛に仕留めて完封となった。9回にも150キロを計測するなど、最後までスピードも気力も集中力も衰えなかった。

 “スガコバ”で成し遂げた完封に仲良しバッテリーは固く抱き合って喜びを分かち合った。小林も2022年5月27日の日本ハム戦(札幌D)以来2年ぶりとなるマルチ安打で相棒の完封ショーに花を添えた。

 冷房の効いた東京ドームがホーム。猛暑のハマスタは想像以上にしんどかったはずだ。

 「いやもう、3イニング投げ終わったぐらいでもうきょう無理だなって思ったんすけど。でも前回やられている相手なので、気持ちだけ負けないように…と思ったら9回までいきました」。

 球数も今季最多の117球。「それまであまり長いイニングを投げれてなかったので、この2連戦、中継ぎも頑張ってくれてたんで、なるべく長いイニングを、と思って投げたんで。ちょっとはチームに恩返しできたかなと思います」と謙虚に語った。

 横浜スタジアムは敵地とはいえ、東海大相模時代にも投げた思い出の場所。同じ場所で後輩たちもこの夏の甲子園出場を決めている。「相模も久しぶりの甲子園で。(神奈川大会の)決勝戦も見てましたし、本当に熱い戦いをしてくれたので。さらに気合が入りました」。後輩たちの奮闘も力に変えての熱投だった。

 

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