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阿部詩 パリの悪夢から4時間後に目を腫らし対応「本当に悔しい…凄く弱いんだな」次の五輪は明言せず

スポニチアネックス 2024年7月28日 22時12分

 ◇パリ五輪第3日 柔道(2024年7月28日 シャンドマルス・アリーナ)

 女子52キロ級の阿部詩(24、パーク24)が28日、2回戦で世界ランキング1位のディヨラ・ケルディヨロワ(26=ウズベキスタン)に3分4秒、谷落としでまさかの一本負け。2度目の五輪は2回戦敗退でメダルなしに終わった。

 悪夢の敗戦から4時間後。目を腫らした詩は報道陣の問いかけに「本当に悔しいという一言と…本当にオリンピックという舞台で勝ち切れなかった私自身が凄く弱いんだなっていう部分…うん…という気持ちです」と気丈に語った。投げられた場面については「最初にポイントを取って、その後は、もう一個取らないとっていう、取り急いでいた部分があったのと、また相手の技が本当に凄くうまくて自分も対応しきれなかったという形で投げられた」と説明。そして、一言一言かみしめるように「やっぱり普段の試合とは違った緊張感だったり、絶対に勝ちにいかないといけないっていう気持ちが…凄く強くて…そのプレッシャーに負けてしまった」と涙声で試合を振り返った。

 そして「全てをかけてこの一日のためにやって来たので、負けた瞬間は冷静に自分を保てなかったですね」と声を絞り出した。そして今後について“また(五輪の舞台に)戻ってきたいか”と聞かれた詩は「今は…うん…」と10秒間沈黙した後「落ち着いてから考えたいなと思います」と明言はしなかった。

 敗戦後は、しばらくしてからスタンドの家族の元に行き、涙を大きなタオルで拭った。両親と兄・一二三からは「お疲れさまと声を掛けてもらいました」と語った。詩に代わって対応した全日本女子の増地克之監督は、詩のについて「聞いていたと思いますが、泣きじゃくって自分では歩けない状況だったので。なかなかやっぱりあの、気持ちを落ち着かせることができない状況で…はい。まあ、もう少し、ちょっと時間がかかるかなというふうに思います。会話はまだしていないですね」と明かしていた。

 初戦で長野出身のカナダ代表・出口ケリーを開始57秒、完璧な大外刈り一本で下した詩だったが、2回戦でまさかの結末が待っていた。

 史上初の兄妹同日五輪連覇の期待を背に乗り込んだパリ。兄の一二三が大会初戦となる2回戦を控えている中で世界1位に屈した。開始2分すぎに内股で技ありを奪い有利に試合を進めていたが、3分4秒に谷落としを浴び、まさかの一本負け。その瞬間、畳に突っ伏し号泣。畳を降りても会場に響き渡るほど泣き叫ぶ詩に、会場から「ウタコール」が送られた。

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