◇パリ五輪第3日 柔道(2024年7月28日 シャンドマルス・アリーナ)
女子52キロ級の阿部詩(24、パーク24)が28日、2回戦で世界ランキング1位のディヨラ・ケルディヨロワ(26=ウズベキスタン)に3分4秒、谷落としでまさかの一本負け。2度目の五輪は2回戦敗退でメダルなしに終わった。
詩は無念の敗戦から約4時間後に取材陣に対応。目を腫らしながらも「本当に悔しいという一言と…本当にオリンピックという舞台で勝ち切れなかった私自身が凄く弱いんだなっていう部分…という気持ちです」とはっきりとした言葉で思いを語った。
時には涙を堪えながら話す場面もあったが、詩らしく丁寧な言葉で笑顔も交えながら「本当に素晴らしい舞台で、誰にでも経験することができない舞台だと改めて感じたので、その舞台でしっかり金メダルを獲れるっていう強さを身につけたいです」と話した。
詩との一問一答は以下の通り。
――率直に今どんな気持ちでしょうか?
「本当に悔しいという一言と…本当にオリンピックという舞台で勝ち切れなかった私自身が凄く弱いんだなっていう部分…うん…という気持ちです」
――投げられた場面については。
「最初にポイントを取って、その後は、もう一個取らないとっていう、取り急いでいた部分があったのと、また相手の技が本当に凄くうまくて自分も対応しきれなかったという形で投げられた」
――ノーシードについては。
「そうですね…ノーシードっていう部分はあまり気にせず、やるべきことは変わらないと思っていたので、深く考えていなかったです」
――大会までの準備と、当日を迎えて今までとの違いはあったか。
「やっぱり、普段の試合とは違った緊張感だったり、絶対に勝ちにいかないといけないっていう…気持ちが…凄く強くて…そのプレッシャーに負けてしまった負けてしまった自分と…異変は感じることはなかった」(最後は涙声)
――ご家族やお兄さんとはどういった話を。
「お疲れさまっていう言葉を掛けてもらいました」
――涙。
「このオリンピックという大会に、本当にいろんな思いを持って、全てをかけてこの一日のためにやってきたので、負けた瞬間はあまり冷静に自分を保つことができなかった」
――会場のウタコールは。
「私は聞こえていたので、温かい応援だったりを感じることができました」
――相手はランキング1位。意識したか。
「凄く強くて、最近の試合でも勢いが良く、投げ勘も凄くあってという選手だったので凄く警戒はしていて、稽古でも対策はしてたんですけど、それを相手が上回って来たなという感じです」
――また戻ってきたいという感覚なのか、まだそういうことは考えられないという感覚なのか。
「今は…うん…落ち着いてから考えたいなと思います」
――有観客の舞台。
「本当に素晴らしい舞台で、誰にでも経験することができない舞台だと改めて感じたので、その舞台でしっかり金メダルを獲れるっていう強さを身につけたいです」