◇パリ五輪第3日 フェンシング（2024年7月28日 グランパレ）
男子エペ個人の加納虹輝（26＝JAL）が日本フェンシング界に新たな歴史を刻んだ。個人では日本初の金メダルを獲得。パリの象徴的スポットの1つ、グランパレで躍動した。
決勝は地元フランスのヤニク・ボレルと対戦。3回戦で見延和靖、準々決勝で山田優を破った“日本キラー”だ。超がつく完全アウェーでも、26歳はひるまない。武器のスピードと巧みな剣さばきが、大一番で生きた。第1ピリオドからリードを奪い、15―9で押し切った。
「まだ実感は全然、湧いてない。フェンシングやってて、このグランパレの舞台できて楽しかったし、こんなところで試合できるのは最初で最後だなと思ったので、良い経験にもなった。日本チーム2人（ボレルに）負けて、3人目が負けるわけにはいかないぞと。そこは気持ちで勝ちにいきました」
「ジーンと感動させるチーム」という思いを込め、“エペジーーン”の愛称とともに21年東京五輪に挑んだエペ団体は、見事に金メダルを獲得。決勝でアンカーを務めたのが加納だった。
あれから3年。日本フェンシング界だけでなく、日本のスポーツ界に加納が感動を運んだ。