◇第106回全国高校野球選手権愛知大会決勝 中京大中京7ー3東邦(2024年7月28日 岡崎市民)
中京大中京が東邦との名門対決を制し、7年ぶり29度目の夏切符を手にした。
0―1の初回2死一、二塁で5番・仲健太郎(3年)が「高めだけ打っていこう」と浮いたスライダーを仕留め、左中間を破る2点二塁打。同点の5回1死二、三塁で決勝中犠飛も放ち、3打点をマークした。
熊本県南阿蘇村出身だが、4年前の夏に同校OB・高橋宏(現中日)の雄姿を見て「日本一になるなら、この学校しかない」と進学を決意。故郷に父を残し、母・早苗さんと愛知で二人暮らしする。今大会は熱中症や左肩の脱臼で4回戦・誠信戦以来の先発出場。試合当日は母お手製のクレープを食べるのがルーティンで、この日も「しっかりつくってもらいました」と2枚食べて英気を養った。今春就任した同郷の元中日・荒木雅博臨時コーチの助言も生かした。
昨夏決勝で愛工大名電に敗れ涙をのんだ高橋源一郎監督は「あのときの悔しさ、その思いで1年やってきた」と笑顔。全国最多173チームの頂点に立ち「切磋琢磨(せっさたくま)して代表を勝ち取ることができた」と話した。