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阿部一二三が連覇!号泣から7時間…詩はスタンドで歓喜の涙 東京五輪から無敗で日本柔道50個目金メダル

スポニチアネックス 2024年7月29日 0時59分

 ◇パリ五輪第3日 柔道(2024年7月28日 シャンドマルス・アリーナ)

 詩、やったぞ!――。男子66キロ級の阿部一二三(26、パーク24)が28日、決勝でウィリアン・リマ(24=ブラジル)を2分36秒、合わせ技一本で破り連覇を達成した。この勝利で日本柔道通算50個目となる金メダルとなった。日本柔道の五輪連覇は男女合わせて大野将平以来史上8人目。

 悪夢から始まった一日だった。会場に響き渡る妹の泣き叫ぶ声を聞きながら、自身の初戦となる2回戦の準備をした。動揺がないはずはない。しかし一二三は、2回戦、準々決勝と積極的な柔道を貫き2戦連続合わせ技一本で準決勝の舞台にたどり着いた。そして迎えた決勝の舞台。最後まで「阿部一二三」の柔道を貫き、隅落としと袖釣り込み腰で合わせ技一本を奪い東京五輪から無敗で連覇を達成した。スタンドで声援を送った家族も笑顔でガッツポーズ。詩は涙を流し兄の偉業を喜んだ。一二三は、阿部家にとってつらく険しかった一日を、歓喜で締めくくった。

 笑顔で畳を降りた一二三は、家族に再び目をやり涙。インタビューでは「最高の思いです。この3年、東京が終わってから、凄い苦しい思い、しんどい思いばかりで、そんな楽な道ではなかったので、そんなことを考えながら。あとは今日、妹が負けてしまって、僕自身も凄い苦しい一日になったんですけど、妹の分までやっぱり兄が頑張らないとという気持ちで一日頑張りました。難しさというか、やっぱり苦しかったんですけど、そこは兄としてやるしかないという思いで、気持ちはしっかり抑えてました」と語った。

 東京五輪から3年間、ともに連覇を目標として兄妹一緒に突っ走ってきた。史上初の兄妹同日五輪連覇の夢はかなわなかったが、日本柔道の意地と誇りをかけた戦いを勝ち抜き、日本上道通算50個目となるメモリアルな金メダルを手にした。

 目標は柔道界でまだ誰も成し遂げていない五輪4連覇と公言する。東京、そしてパリという2つの通過点をクリアし、4年後はロサンゼルスで、野村忠宏と並ぶ3連覇に挑戦する。

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